「横回転サーブが全然返せない…」
「レシーブが毎回思った方向とは違う方向に飛んでしまう…」
「横回転サーブってどうやって打つの?」
横回転サーブは、多くのプレイヤーを悩ませる厄介なサーブの一つですよね。
実は、横回転サーブを自在に操れる選手とそうでない選手では、勝率に大きな差が生まれるほど、この技術は卓球において重要です。
今回は、横回転サーブの打ち方とレシーブのコツを徹底解説します。記事の後半では、横回転サーブを効果的に活用するための戦術についても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
横回転サーブとは?
横回転サーブとは、その名の通り、ボールに横方向の回転をかけるサーブのことです。
ボールが横に回転しながら飛ぶため、バウンド後に左右へ変化するのが特徴です。
右利きの選手が打つ場合、ボールが右方向に曲がるものを「順横回転」、左方向に曲がるものを「逆横回転」と呼びます。
下回転サーブと違い、レシーブの際には横回転に合わせてラケットの角度を調整する必要があり、特に初心者にとっては難しく感じる技術です。
しかし、横回転サーブの仕組みを理解すれば、レシーブも打ち方も格段に上達します。まずは基本的な種類を確認していきましょう。
横回転サーブの種類
横回転サーブには主に2種類あります。
- 順横回転サーブ
- 逆横回転サーブ
この2種類の回転を使い分けられると、試合で有利に立ちやすくなるため、ぜひ習得しておきましょう。
横回転サーブの種類1.
順横回転サーブ
順横回転サーブとは、右利きの選手がフォアハンドでサーブを打つ際に、ボールが時計回りに回転するサーブのことです。バウンド後、相手から見て 右から左へ 曲がるのが特徴です。
このサーブは比較的習得しやすく、多くの選手が最初に覚える横回転サーブです。なぜなら、ボールを擦る位置が体の内側に近く、コントロールしやすいからです。
左利きの相手には、フォア側の短いコース(フォア前)に出すと、ボールがコートの外へ流れやすくなり、強力なサーブになります。
横回転サーブの種類2.
逆横回転サーブ
逆横回転サーブは、右利きの選手がフォアハンドでサーブを打つ際に、ボールが反時計回りに回転するサーブです。バウンド後は 左から右へ 曲がります。
このサーブは、順横回転サーブに比べて やや習得が難しい です。なぜなら、ボールを体の内側から外側へ向かって擦らなければならず、コントロールが難しくなるためです。
横上回転と横下回転の違い
横回転サーブには、単なる横回転だけでなく 上回転や下回転の要素 を加えることで、多彩な変化を生み出すことができます。
横上回転サーブ | 横回転に上回転を加えたサーブ。ボールの前進力が増し、単純な上回転サーブよりも返球しにくくなります。 |
横下回転サーブ | 横回転に下回転を加えたサーブ。バウンド後に勢いが弱まり、相手コートの手前で止まりやすくなります。そのため、相手はツッツキや台上ドライブで対応しなければなりません。 |
同じフォームから横回転・横上回転・横下回転を打ち分けられると、相手にとって大きな脅威になります。
横回転サーブのレシーブ方法
横回転サーブは多くの選手が使用するため、適切なレシーブ技術を身につけておかないと、試合で不利になります。ここでは、基本的なレシーブ方法を3つ紹介します。
- 回転に合わせてレシーブする
- 回転を利用して返す
- フリックやドライブで攻撃する
同じレシーブばかりを繰り返すと、相手の3球目攻撃の狙い目になりやすいので、複数の方法を使い分けましょう。
レシーブについては下記の記事で詳しく解説しています。
レシーブに苦手意識のある方や、レシーブをもっと強化したい方はぜひご覧ください。
ミスしない卓球のレシーブとは?種類とコツから練習法まで徹底解説!
レシーブ方法1.
回転に合わせる
相手のサーブ時のラケットの角度と 同じ角度 でレシーブする方法です。
たとえば、下回転サーブに対するツッツキでは、ラケットを台とほぼ水平にしてボールの下側を捉えます。
同様に、横回転サーブを受ける際も相手がサーブを打つときのラケットの角度に合わせることで、安定したレシーブができます。
まずはこの方法をマスターしましょう。
相手の打球の回転によって、臨機応変に対応しなければ勝つことはできません。
卓球の回転については、下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ目を通してみてください。
卓球は回転で決まる?回転の種類やかけ方・返し方、ラバーの違いまで解説!
レシーブ方法2.
回転を利用する
相手のサーブの回転をそのまま利用して返す方法です。
たとえば、順横回転サーブ(右から左に曲がる回転)が来た場合、その回転に逆らわず右から左へラケットを動かしてレシーブすると、自然と相手と同じ回転がかかったボールを返せます。
この方法を使うと、相手にサーブの回転を活かした返球ができ、試合の流れを簡単に相手に渡さずに済みます。
レシーブ方法3.
フリックやドライブ
横回転サーブに対しては、単に返球するだけでなく、積極的に攻撃に転じることも可能 です。
特に短い横回転サーブに対しては、フリック が有効な武器になります。
- 手首のスナップを強く使い、ボールを鋭く弾く
- ラケット面の角度を回転に合わせて調整 する
- ボールの上部を捉えて、上回転を加える
また、台から少し離れた位置にバウンドするサーブには、ドライブ で攻撃するのも有効です。
ドライブについては下記の記事で詳しく解説しています。
ドライブが苦手な方や、強いドライブを打てないとお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
卓球初心者でも強いドライブは打てる?コツから練習方法まで徹底解説
横回転サーブの基本的な打ち方
横回転サーブをマスターするために、基本的な打ち方を紹介します。
- 順横回転サーブの打ち方
- 逆横回転サーブの打ち方
横回転サーブを習得したい方は、ぜひ参考にしてください。
横回転サーブの打ち方1.
順横回転サーブ
右利き選手がバックハンド側に立ってサーブを出すシチュエーションで解説します。
まずは持ち方を、人差し指と親指でラバーの根元を持つ形に変えましょう。
- 卓球台に対して横を向いて構える
- ラケットの先端をやや下に傾ける
- トスと同時にラケットを引く
- 自分のお腹側に向かってラケットをスイング
イメージとしては、自分のお腹に向かってラケットをぶつける感じです。
ボールを真上から見て側面を時計回りにこするようにスイングしましょう。
横回転サーブの打ち方2.
逆横回転サーブ
逆横回転サーブは順横回転サーブの逆になります。ただ、出し方は大きく変わっていわゆる巻き込みサーブが最も簡単です。持ち方は普段の状態と同じです。
- 卓球台に対して横を向いて構える
- ラケットの先端は台と水平
- ラケットの面は相手に向けて、腰の高さで構える
- 腰を体の内側に向かって捻るようにしてスイング
体の動きと一緒にボールを打つのがコツです。この巻き込みサーブは、相手に回転がバレにくいとても有効な打ち方なので、ぜひ練習して身につけてみましょう。
強い横回転をかけるコツ3選
打ち方だけでなくより強い回転をかける方法を3つ紹介します。
- 持ち方を変える
- 打つ瞬間に強く握る
- ボールを擦る感覚を掴む
相手がレシーブできない様な強い横回転を打ちたい方はぜひ参考にしてください。
強い横回転をかけるコツ1.
持ち方を変える
横回転サーブで強い回転をかけるには、通常のシェークハンドグリップから少し持ち方を変えることが効果的です。具体的には、親指と人差し指でラケットのグリップではなくラバーの根元を持ちます。ラバーだけを握ってラケットを振るイメージです。
この持ち方に変えることで、手首の可動域が広がり、より強い回転をかけられます。
ただし、持ち方を変えると最初は違和感があるかもしれません。まずは少しずつ練習し、徐々に慣れていくようにしましょう。慣れてくると、同じ動作でもより強い回転をかけられるようになります。
強い横回転をかけるコツ2.
打つ瞬間に強く握る
サーブの打点でラケットを強く握ることも、回転量を増やすための重要なコツです。ボールに接触する瞬間に、ラケットをギュッと強く握ることで、より大きな摩擦力が生まれ、強い回転をかけることができます。
しかし、最初から強く握っていると、動きが硬くなってしまいます。サーブのバックスイングからフォロースルーまでの流れの中で、ボールに接触する瞬間だけ握力を強めることを意識しましょう。
強い横回転をかけるコツ3.
ボールを擦る感覚を掴む
横回転サーブに限らず強い回転をかけるコツは、ボールを擦る感覚を掴むことです。卓球界隈では、ボールを強く擦ることを「ボールを切る」といいます。よく回転のかかったサーブを「よく切れたサーブ」と言ったりしますね。
このボールを擦る感覚は、コート上じゃない練習でも手に入れられます。コートに入れることを考えない状態で、最大限ボールに強い回転がかかるように擦ってみてください。そうすると、自ずとボールにラケットを当てるより、薄くこするようになっていくはずです。
その薄く擦る感覚を身につけて、その感覚のままコートに入るように打てば、回転のかかったサーブが打てます。まずは壁に向かってでもいいので、回転がかかるボールの擦り方の感覚を自ら掴んでみましょう。
横回転サーブのメリット
横回転サーブには大きなメリットが2つあるので紹介します。
- レシーブが難しい
- 3球目攻撃につなげやすい
横回転サーブを使ってみたい方は、ぜひ覚えておいてください。
横回転サーブのメリット1.
レシーブが難しい
上回転サーブや下回転サーブと違い、横回転サーブは軌道が大きく変わります。そのため、ラケットの角度調整やレシーブの打ち方だけでなく、ボールの軌道に合わせなくてはいけません。
中級者以上であれば横回転の軌道や適切なラケット角度も体が覚えていますが、初心者はそれがわからないため、レシーブがかなり難しいでしょう。
さらに順横回転と逆横回転の両方のレシーブが得意という選手は意外と少ないです。どちらの回転でも強いサーブが打てれば、試合を優位に展開できるでしょう。
横回転サーブのメリット2.
3球目攻撃に繋げやすい
横回転サーブは相手のレシーブのコースをある程度限定できるため、3球目攻撃を狙いやすくなります。
例えば、時計回りの回転のサーブを逆の回転をかけて返すのは難しいです。ほとんどが相手の回転に合わせて、流すようにレシーブします。そのため回転によってレシーブのコースをある程度予想できるものです。
ただ、相手によっては逆のコースにレシーブしてくることもあるので、完全にヤマをはるのはおすすめしません。
卓球3球目については下記の記事で詳しく解説しています。
3球目攻撃のメリットやコツを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
試合で勝てる3球目攻撃のコツと練習方法を卓球初心者向けに徹底解説
横回転サーブのデメリット
横回転サーブにはデメリットもあるので、2つ紹介します。
- 3球目が難しくなりやすい
- 上級者には攻められやすい
横回転サーブを試合で使っていきたい方は、事前にデメリットを把握しておきましょう。
横回転サーブのデメリット1.
3球目が難しくなりやすい
メリットの方で3球目攻撃が狙いやすいと書きましたが、その3球目を成功させるのは難しくなります。
なぜなら、相手のレシーブのボールにも横回転がかかっているからです。横回転がかかっているため、その回転に負けない上回転をかけなくてはいけません。
横回転サーブを出すと、相手はその回転をそのまま利用して返球してくるため、横回転のレシーブに対しての3球目を練習しておかないと、強い3球目攻撃はできないでしょう。
横回転サーブのデメリット2.
上級者には攻められやすい
横回転サーブは上級者には軌道を読まれやすいサーブです。その横回転を利用して、鋭いコースにレシーブされることもあるでしょう。
また、ツッツキをさせようと横下回転サーブを打っても、純粋な下回転サーブよりは下回転が弱いため、台上ドライブやチキータなどで攻められやすいです。
上級者相手には何度も同じ横回転のサーブを出すのはやめておいた方がいいでしょう。
横回転サーブのおすすめ練習方法3選
横回転サーブが使えるようになるおすすめの練習方法を3つ紹介します。
- ひたすらサーブ練習
- 的を設定して精度を高める
- 3球目攻撃を想定した練習
試合で勝てる横回転サーブを打てるようになりたい方は、ぜひ参考にしてください。
横回転サーブの練習方法1.
ひたすらサーブを繰り返す
まずは順横回転、逆横回転のサーブの打ち方を覚えましょう。
ボールをたくさん用意して、フォアとバックやロングとショートなど大雑把でいいので狙い通りのサーブを打ちましょう。その際に、フォームだけはよく意識しましょう。
試合では使えないような大ぶりなフォームや回転がバレバレのフォームで、打てるようになっても試合では有効なサーブとして使えないからです。
卓球のサーブについては下記の記事で詳しく解説しています。
サーブが苦手な方やもっと上達したい方はぜひ参考にしてください。
卓球初心者はサーブを極めろ!コツからおすすめの回転まで徹底解説
横回転サーブの練習方法2.
的を設定して精度を高める
ある程度、ミスなく横回転サーブが打てるようになったら、精度を高めていきましょう。
具体的には、以下のような練習方法がおすすめです。
- 卓球台の角や中央など、特定の位置にマーカーやテープを貼る
- そのマーカーを狙って、横回転サーブを繰り返し練習する
- 10回中何回当たるかを記録し、徐々に精度を高めていく
マーカーを狙う際はコースだけでなく、高さやスピードも意識するといいでしょう。
ちなみに台上に置くマーカー等は、凹んでしまったボールなどがおすすめです。
横回転サーブの練習方法3.
3球目攻撃を想定した練習
狙ったところに横回転サーブが打てるようになったら相手を用意して、3球目攻撃まで打ちましょう。
その際にある程度は相手にレシーブを限定させますが、たまにはランダムなコースにレシーブしてもらいましょう。なぜなら、実際の試合では相手のレシーブがどこに来るかわからないからです。
自分の打った横回転に合わせて、完全にヤマを貼るのではなく、ある程度レシーブコースを想定しながら3球目を狙っていくようにすると、試合の時も3球目攻撃が決まりやすくなります。
試合で活きる横回転サーブの3つのおすすめ戦術
最後に横回転サーブをより有効に使うためのおすすめの戦術を3つ解説します。
- 下回転サーブと併用する
- タイミングを工夫する
- ダブルスでの効果的な使い方
横回転サーブで試合を優位に展開したい人は、ぜひ参考にしてみてください。
横回転サーブのおすすめ戦術1.
下回転サーブと併用する
よく回転のかかった下回転と横下回転を同じフォームで打てるようになれば、相手はレシーブにとても困るでしょう。
短いサーブであれば横下回転だとしても軌道でバレにくいので、短めのサーブで純粋な下回転サーブと横下回転サーブを組み合わせるのがおすすめです。
横回転サーブのおすすめ戦術2.
タイミングを工夫する
横回転サーブを使うタイミングも重要な戦術の一つです。特に絶対に取りたいポイントや、相手が精神的に追い込まれている場面で横回転サーブを使うと、より高い効果が期待できます。
たとえば、以下のようなシチュエーションが効果的です
- ゲームポイントや、セットポイントなどの重要な場面
- 相手が連続得点した後、流れを変えたい場面
- 相手の調子が良くなってきた時に、リズムを崩したい場面
また、同じ横回転サーブでも、トスの高さやスイングのスピードを変えることで、相手のタイミングを外すことも有効です。リズムの取りづらいサーブは、相手のミスを誘発します。
第一ゲームで様々なサーブを出して、横回転サーブが苦手と分かったら、重要な場面まであえてとっておくというのも戦術の一つです。
横回転サーブのおすすめ戦術3.
ダブルスでの効果的な使い方
サーブは基本的に、相手から逃げていく方が有効と思われがちですが、ダブルスではそうではありません。
なぜなら、相手から逃げていくボールを打つために台から離されたとしても、次にボールを打つのはパートナーだからです。むしろ、台から離れたことによってパートナーが次のボールを打つための十分なスペースが確保できます。
そのため、横回転サーブは相手の身体に向かって曲がるように打つと効果的です。そうすれば、相手は台の中央で打つことになり、打球後に急いで動かないとパートナーの邪魔になってしまい、焦らせることができます。
ただ、ダブルスは右利き選手であればフォア側から対角線上にサーブを打たなければいけません。相手が右利き選手であれば、相手の身体に向かっていく回転だと対角線上ではなくなってしまう可能性があります。そのため、試合で使う前によくサーブ練習をしておきましょう。
まとめ
横回転サーブは、卓球の試合で非常に重要な要素の一つです。順横回転と逆横回転の違いを理解し、適切な打ち方やレシーブ方法を練習することで、試合で有利に立つことができます。
また、回転の強さを調整できるようになると、より多彩なサーブを打てるようになり、相手を翻弄することができます。ぜひ今回紹介した内容を参考にし、実践で活かしてください!
卓トレは卓球を好きな人がいつでも練習できるように、24時間・365日営業している卓球練習場です。※一部店舗を除く
高性能卓球マシンを採用しているため、一人でも質の高いレシーブ練習が可能です。
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