「卓球にはどんな回転があるの?」
「回転の種類が多すぎてよく分からない」
「回転のかけ方・返し方は?」
この記事では、このようなお悩みを持つ方に卓球の回転について網羅的に解説します。
前半では回転の概要や回転の種類を解説。後半では、ラバーによる回転の違いや回転のかけ方・返し方まで幅広く解説しています。この記事を参考に、回転を自在に操って試合に勝利しましょう。
卓球における「回転」とは
卓球は「回転のスポーツ」と呼ばれるほど、回転が勝負を分けるスポーツです。サーブからはじまり、ポイントが決まるまで、回転量と種類の読み合い、騙し合いが続きます。相手の回転を読んで回転を利用したり、強烈なスイングで回転を上書きしたりして、ラリーを優位に進めます。
卓球で主に使われるのは硬式ボールですが、大きさが40mmで重さも2.7gしかないため、とても回転をかけやすいのです。また、主流になっている裏ソフトラバーも、勝手に回転がかかるようになっています。回転をかけない方が困難です。
卓球の回転の種類
卓球の回転には、下記のような種類があります。
- 上回転
- 下回転
- 横回転(順横回転・逆横回転)
- 横上回転
- 横下回転
- ジャイロ回転(順ジャイロ回転・逆ジャイロ回転)
- ナックル
上回転
上回転は、卓球で一番基本の回転です。空中では空気抵抗によって下に落下し、バウンドするときに摩擦で加速します。バウンドしたときの加速を「伸ばす」と表現する場合もあります。
フォア打ちなどの基本的なラリーや、ドライブ、ブロックなど、基本的な技術の多くが上回転です。また、ラリーの大半は上回転対上回転です。
下回転
下回転は主に守備のために使われます。空中では空気抵抗によって空中で伸び、バウンドするときに摩擦で減速します。バウンドも低く、ラバーに当たると下に落ちる力が働くため、ドライブするには上に持ち上げるようにスイングしなければなりません。そのため、攻撃しづらいのです。
下回転サーブ・ストップ・ツッツキ・カット・カットブロックなどが下回転です。
横回転
横回転は、空中で空気抵抗を受けて左右に曲がります。主にサーブで打たれる回転です。初心者は横回転のレシーブが苦手な場合が多いため、強い横回転をかけるとサービスエースを狙えます。レベルが上がると、後述する横上回転と横下回転を混ぜることで、相手のレシーブミスを誘います。
順横回転
順横回転は、時計回りの横回転です。打者から見て、右に曲がります。
逆横回転
逆横回転は、反時計回りの横回転です。打者から見て、左に曲がります。
横上回転
横上回転は、横回転と上回転が混じった回転です。ボールが斜めに回転します。主にサーブで打たれますが、チキータ・カーブドライブ・シュートドライブなども横上回転です。空中では曲がりながら、ボールが落下します。
順横上回転と逆横上回転がありますが、あまりこのような言い方はしません。
横下回転
横下回転は、横回転と下回転が混じった回転です。ボールが斜めに回転します。主にサーブで打たれます。ラリーの中ではあまり打たれない回転です。稀に横回転を混ぜたツッツキやカットなどがあります。空中では曲がりながら、ボールが伸びます。
順横下回転と逆横下回転がありますが、あまりこのような言い方はしません。
ジャイロ回転
稀にジャイロ回転が打たれることもあります。ジャイロ回転とは、回転軸が進行方向に向く回転です。ラリー中に打つのは困難で、サーブで出される回転です。空中ではあまり変化せず、バウンドするときに摩擦で横に変化します。
ジャイロ回転を出すのは難しいのですが、ボールのどこを触るかによって、受ける影響がまったく違います。そのため、サービスエースやレシーブミスを狙える回転です。しかし、自分にも複雑な回転で返ってくる可能性が高いので、注意が必要です。
順ジャイロ回転
順ジャイロ回転は、フォアサーブで下回転サーブのモーションから、自分の体に向かって回転をかけることで出せる回転です。バウンドするときに、打者から見て右に曲がります。
逆ジャイロ回転
順ジャイロ回転は、主にYG(ヤングジェネレーション)サーブで出せる回転です。バウンドするときに打者から見て左に曲がります。
ナックル(無回転)
ナックルとは無回転のボールのことをいいます。しかし、卓球のラリー中に完全な無回転を打つのは困難です。一般的に回転数が少ないボールをナックルといいます。
粒高ラバーやアンチラバーのように、回転がかかりにくいラバーでプッシュしたときに出やすい回転です。回転数が極端に少ない場合は、空中で揺れるように不規則に変化します。
回転をかけたボールと比較して、回転が少ないボールをナックルということもあります。強い上回転をかけたドライブに対して、弱い上回転をナックルドライブといい、回転量の差でミスを誘う技術です。下回転ではナックルカットもあります。
卓球でラバーによる回転の違い
卓球はラバーによって回転のかけやすさや回転量、影響の受け方が違います。それぞれのラバーの特徴を知って、さまざまなラバーに対応できるようにしましょう。
裏ソフト
現在主流のラバーが裏ソフトです。裏ソフトは主に、テンション・粘着・高弾性があります。
テンション
テンションラバーを簡単にいうと、ゴムを引き伸ばした状態(張力がかかった状態)のラバーのことです。ラバーが引きつれを起こすため、相手の回転が強ければ強いほど、自分も強い回転がかけられるのが特徴です。もちろん自分からも強烈な回転をかけられます。
粘着
いわゆる中国ラバーです。卓球最強国である中国代表が使用しているラバーです。テンションと違ってゴムの引きつれよりも、摩擦で回転をかけます。引きつれは起こりにくいので当てるだけでは、あまり回転がかかりません。
しかし、表面がベタベタしていて摩擦が強いため、強烈な回転をかけられます。近年は、粘着とテンションのいいところを取った、微粘着テンションのラバーも増えています。
高弾性
高弾性は、テンションラバーが登場する前に主流だったラバーです。テンションラバーよりも回転はかかりませんが、コントロールしやすいため、現在は初心者向けとして販売されています。
異質
裏ソフトラバーが主流なため、裏ソフト以外のラバーを異質ラバーと呼びます。
表ソフト
表ソフトは、回転重視のラバーとスピード重視のラバーがあります。回転重視のラバーなら、強い回転をかけられますが、裏ソフトには及びません。スピード重視は強い回転をかけにくいです。
粒高
粒高ラバーは当てるだけだと、相手の回転を残すので、逆回転になって返ります。これを反転と呼びます。また、相手の回転に回転を足すことで、強烈な回転がかかるラバーです。例えば、相手の上回転に下回転を足して返せるので、カットマンがよく使います。
アンチ
アンチラバーは見た目は裏ソフトですが、表面がつるつるしていて自ら回転をかけるのは困難です。粒高よりもナックルになりやすい特徴があります。
卓球の回転のかけ方とコツ
卓球の回転のかけ方と、コツを簡単に紹介します。
サーブ
サーブは卓球の試合の中で、唯一相手の回転に影響されずに打てます。横回転なら、ボールの横をこする、下回転ならボールの下をこするなどで、回転をかけましょう。ラケットをボールに当てる位置と、こする角度が重要です。
サーブについては下記の記事で詳しく解説しています。
サーブの回転の掛け方がわからない方や、サーブのバリエーションを増やしたい方はぜひご覧ください。
卓球はサーブの種類が重要!サーブ一覧から回転のかけ方まで解説
レシーブ・ラリー
主流の裏ソフトラバーは、ラバーの引きつれが起こるため、基本的に相手と同じ回転で返ります。しかし、ただ当てるだけだと回転に負けて、ボールが意図しない方向に大きく飛んでいってしまいます。そのため、回転をかけ返す感覚が必要です。
一方で粒高やアンチラバーの場合は、相手の回転に回転を足す感覚で打ちましょう。
レシーブについては下記の記事で詳しく解説しています。
レシーブに苦手意識のある方や、レシーブをもっと強化したい方はぜひご覧ください。
ミスしない卓球のレシーブとは?種類とコツから練習法まで徹底解説!
卓球の回転の返し方
卓球では、さまざまな回転のボールが飛んできます。特にサーブレシーブではさまざまな回転に対応しなければなりません。回転の返し方を学んで、試合を優位に進めましょう。
角度を合わせる
回転がかかっているボールに対して、垂直にラケットを当ててしまうと、回転の方向にボールが飛んでしまいます。そのため、角度を合わせてレシーブする必要があります。特に、相手の回転の影響を受けやすい裏ソフトラバーは、しっかり角度を合わせなければなりません。
回転を上書きする
相手の回転がわからない場合や、自分のスイングスピードに自信がある場合は、回転を上書きする方法もあります。
速いスイングで強く回転をかけることで、相手の回転の影響を減らして、自分の回転に変えて返球できます。
しかし、どんな回転でも同じスイングで上書きするのは不可能です。ある程度角度を合わせながら、回転を上書きしなければなりません。
粒高・アンチラバーの場合
反転する特性を活かして回転を足して返します。
上回転のボールは下回転で返す。下回転は上回転で返すなどです。
練習することで、下回転を下回転で返すなど、同じ回転で返すことも可能になります。
粒高選手の対策については、下記の記事で詳しく解説しています。
粒高選手が苦手な方や、粒高選手との試合予定がある方はぜひ参考にしてください。
粒高選手にはこの戦略!粒高ラバー対策と勝ち方を徹底解説
回転を有効に使うために、重要な考え方
回転を有効に使って試合を有利に進めるためには、相手の裏をかきましょう。回転数が多ければ多いほどレシーブも難しくなりますが、回転がわかりやすければ、すぐ慣れられます。
また、ジャイロ回転のように複雑な回転を打つとレシーブミスを誘いやすいですが、自分にも複雑な回転で返ってくる可能性が高いのです。
切れた下回転だと思ったらナックルだった、横上だったと思ったら横下だったなど、相手の裏をかいてミスを誘うことが重要です。回転数よりも回転のわかりにくさにこだわりましょう。
まとめ
卓球は回転のスポーツといわれるほど、回転が勝負を分けます。上・下・横・横上・横下・ジャイロ・ナックルなど、さまざまな回転を理解しましょう。ラバーによって回転のかけやすさや影響の受け方が違います。
回転の種類やラバーの違いを理解した上で、それぞれの回転のかけ方・返し方を覚えましょう。回転で相手を騙したり、強烈な回転をかけたりすることで、相手のミスを誘えます。
この記事を参考に回転を自在に操って、試合に勝ちましょう!
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