卓球の基本「チキータ」とは?打ち方のコツや練習方法を徹底解説

サーブをする卓球選手

「チキータのコツが知りたい」

「チキータの練習方法が知りたい」

この記事を読んでいるということは、このように思っていませんか?

チキータとは、台上でボールに強い回転をかけて返球する卓球の技術です。

主にサーブレシーブで使われており、実際、多くのプロも実戦に取り入れています。

今回は人気を博しているチキータの由来から打ち方、練習のコツまで徹底解説します。

3ステップの練習法を取り入れることで、初心者でもチキータをマスターできるでしょう。

卓球のチキータとは?由来も紹介

チキータとは、台上でボールに強い回転をかけて返球する卓球の技術です。

相手のサーブを強襲できるレシーブ技術として、多くの選手が試合で使っています。

1990年代にチェコの卓球選手が使用したのが、チキータの始まりです。

その後、2011年の世界大会で中国の選手がチキータを多用して優勝したことで、チキータが世界的に広まりました。

チキータは同じフォームでも、ボールの触る場所を変えるだけで簡単に回転を変えられます。

例えばサーブで異なる回転をかける場合、フォームから変える必要があります。

一方チキータなら、手首を捻る角度を変えるだけで回転の向きを大きく変えられるのです。

チキータはもともと横回転をかける技術でしたが、縦回転をかけたチキータや逆回りの横回転など、様々なレパートリーが生まれています。

チキータを使いこなせれば、戦略の幅が一気に広がるでしょう。

チキータはどうやって打つ?基本のフォームと打ち方を解説

チキータの打ち方を学ぶ際は、以下の4つに分けてポイントを押さえるのが重要です。

  1. 構え方
  2. バックスイング
  3. スイング
  4. フォロースルー

それぞれポイントを押さえることで、より効率よくチキータをマスターできます。

特にスイングだけでなく、バックスイングやフォロースルーまで意識すれば、安定したチキータを取得できるでしょう。

チキータを打つ際の構え方

チキータを打つ際の構え方のポイントは、以下のとおりです。

  • 深めの前傾姿勢をとる
  • 利き手側の足を前に出す
  • 体の正面に広いスペースを作る

チキータは台上で返球する技術のため、通常のフォアハンドやバックハンドとは違いラケットを持っている側の足を前にして打球します。

ボールに体を近づけることで、ボールをしっかり見られるため、なるべく前傾姿勢を深くとっておきましょう。

体の正面に広いスペースを作るイメージを持っておくと、打ちやすい打球点を見つけやすくなります。

チキータの打ち方

チキータの打ち方は、細かく3つのステップに分けられます。

  • スイングの準備・バックスイング
  • スイング
  • フォロースルー

それぞれ詳しくみていきましょう。

スイングの準備・バックスイング

チキータは手首を返して回転をかけるため、スイング準備の段階で手首を内側に捻っておきましょう。

腰を落とし、肘を肩に近い高さまで上げることで、ボールを引き込みながら打球できます。

構え方で解説したとおり、体の正面に広いスペースを作っておけば手首を返して回転をかけるのに十分な幅を確保できるでしょう。

めいっぱい回転をかけられるよう、ぎりぎりまでボールを引きつけると打ちやすくなります。

スイング

チキータのスイングは、ムチのように腕を使うのがポイントです。

バックスイングで捻っておいた手首を返しながら、腕をしならせることで強い回転をかけられます。

手首を返す角度の目安は「210度」で、かなり大きく手首を回転させます。

スイング準備の段階で手首を気持ち大きめに捻っておけば、しっかり手首を返せるでしょう。

このときラケットの先端に近いところでボールを捉えれば、より強い回転をかけられます。

フォロースルー

チキータを実践で使いたい方は、フォロースルーで「斜め前に振り切る」ことを意識しましょう。

フォロースルーを意識することで、2つのメリットがあります。

  1. ボールスピードが上がり、回転がより強くなる
  2. 次の返球に備えやすくなる

手首を返して打球したあと、ひじを伸ばしながら斜め前にラケットを振り抜きましょう。

フォロースルーまで意識して練習しておくことで、実戦で活かせるチキータを完成させられます。

チキータを安定させるための5つのコツとは?

チキータを安定させたい方は、以下の5つのポイントをマスターしましょう。

  1. やや右寄りに構えておく
  2. フットワークを活かして打球位置に入る
  3. 回転に合わせて、ボールのどこをとらえるかを意識する
  4. 手首だけで打たず、腕を柔らかく使って打つ
  5. ボールの軌道がネットより下のときは使わない

練習から5つのポイントを意識しておけば、より効率よくチキータを習得できます。

チキータのコツ1.利き手寄りに構えておく

チキータで返球する際は、ラケットを握る側に寄って構えておきましょう。

チキータはバックハンドで行うため、バックハンド側を広くとる狙いがあります。

チキータではボールを懐までひきつけて打つのがポイントです。

バックハンド側をあらかじめ広くとっておくことで、ボールの正面に入り、うまく懐にひきつけられます。

ただし、バックハンド側を露骨に空けているとチキータを狙っていることが相手にバレやすいため、実践で使う際は注意が必要です。

実践ではチキータ以外の返球方法も想定しておくと、空けたスペースを狙い撃ちされても対応しやすいです。

チキータのコツ2.フットワークを活かして打球位置に入る

チキータを実戦で活かすには、フットワークが重要です。

チキータは台上で返球するため、ボールの正面に素早く入る必要があるのです。

また、チキータで回転を強くかけるにはひじを曲げておく必要があります。

ボールに向けて手を伸ばせないため、体ごとボールに素早く近づくフットワークが重要なのです。

ボールに近づく際は通常のフォアハンド・バックハンドと違い、利き手側の足をボールに近づけます。

慣れない姿勢で打球するため、練習で素早く足を入れ替える感覚を身につけておきましょう。

チキータのコツ3.ボールを捉える場所を意識する

チキータを安定させるには、ボールをとらえる場所を意識して打球しましょう。

なぜならボールをとらえる場所を調整できれば、狙った回転で相手コートに返球できるためです。

とらえるボールの面 かかる回転
ボールの左側 右回転
ボールの右側 左回転
ボールの手前側 縦回転

狙った面を意識して擦ることができれば、相手の強い回転がかかったサーブでも難なく返球できます。

狙った回転をかけるには、狙った面を打球する技術が必要です。

練習でもボールの面を意識して打球することで、チキータを安定して使えるでしょう。

チキータのコツ4.手首だけで打たず、腕を柔らかく使って打つ

チキータは手首だけで打つと、ボールのコントロールが難しくなります。

ミスショットを減らすためにも手首だけでなく、腕を柔らかく使って打ち抜きましょう。

腕を柔らかく使うには、ひじを支点に腕から回転させて打つ意識が重要です。

腕と手首を連動させて打つためにも、バックスイングの際にはひじを前に出しておきましょう。

ひじが体の近いところにあると、ボールをうまくひきつけられません。

チキータのコツ5.ボールの軌道がネットより下のときは使わない

チキータはボールの軌道が”ネットより上のときのみ”使用しましょう。

ボールの軌道がネットより低い場合、チキータでボールを浮かせるのが難しいためです。

またボールの軌道がネットより低いときは、ボールスピードが速く、ボールはバウンドして台から飛び出すことが多くなってしまいます。

そのため台上のボールを返球するためのチキータは使えません。

実戦ではチキータを打つことばかり考えていると、ワンバウンドして台の外に飛び出る「長いボール」に対応できます。

チキータを使える場面と使えない場面を理解しておくと、実戦にチキータを落とし込みやすいでしょう。

チキータを習得するのに最適な練習方法とは?結論、3ステップ練習法が効果的!

チキータを習得するには、以下の3ステップ練習法が最適です。

  1. 構え方と打ち方を定着させる
  2. さまざまなサーブの返球で「打球感覚」を身につける
  3. 実戦で使ってみる

このステップで行わなければ、誤ったフォームが定着し、打球が安定しない可能性もあります。

手順に則って確実に上達していきましょう。

step1.構え方と打ち方を定着させる

安定したチキータを習得するには、正しい構え方・打ち方を定着させるのが最優先です。

このステップを怠ると誤った打ち方が身につき、安定してチキータで返球できなくなるでしょう

このとき前述した5つのコツも意識することで、さらに上達スピードを高められます。

イメージトレーニングもしっかり行い、フォームが定着したら打球練習に移ってください。

step2.さまざまなサーブの返球で「打球感覚」を身につける

構え方・打ち方が身に付いたら、実際にボールを使って打球感覚を身につけましょう。

サーブレシーブだけに特化して多球練習を行えば、時間効率を最大化してチキータを練習できます。

チキータの多球練習を行う際は、以下の3ステップで練習するのがおすすめです。

  1. 同じ回転のサーブを繰り返しレシーブする
  2. 回転を変えて、繰り返し練習する
  3. ランダムな回転のサーブをレシーブする

まずは相手サーブの回転を知ったうえでレシーブし、「この回転のときは、ボールのここを触る」という合わせ方を理解してください。

合わせ方を理解したうえでランダムなサーブをレシーブすれば、即座に対応する力が身につけられます。

多種多様なサーブをチキータでレシーブする練習を繰り返せば、実戦でも通用する「応用力のあるチキータ」を身につけられます。

step3.実戦で使ってみる

多球練習でチキータの打球感覚を掴んだら、実践で使うステップに移行します。

実戦のレシーブにチキータを取り入れて、次の3つの感覚を養ってください。

  1. チキータで対応可能か瞬時に見極める感覚
  2. サーブの回転に合わせて打球する面を即座に見極める感覚
  3. チキータで返球したあとの相手からの返球に備える感覚

試合でチキータを活用するためにも、これらの感覚は非常に重要です。

練習でも3つのポイントを意識して、チキータを上達させましょう。

チキータのメリット3選

チキータ最大のメリットは、威力が高いレシーブで相手にプレッシャーをかけられる点です。

チキータでサーブを強襲できれば、相手にとって「ここにサーブを打てば、強いレシーブは帰ってこないだろう」という範囲を狭められます。

また、チキータは強い回転をかけて返球するため、相手のさまざまな回転のサーブに対応しやすいです。

同じフォームで複数の回転を使い分けられるため、レシーブから攻撃に転じやすいでしょう。

メリット1.相手の安全圏を狭められる

チキータを使いこなせれば、相手にとってのサーブの安全圏を狭められます。

なぜならチキータによるレシーブは威力が高く、相手の思い通りにラリーが進むのを妨害できるためです。

そもそも卓球では、相手に強いレシーブを打たれたくない場合に台上で2バウンド以上する「短い」ボールを使用します。

台の外にボールがでなければ、相手は大きくスイングするスマッシュやドライブを使えないためです。

しかし、チキータを使えば短いボールでも強い威力での返球が可能です。

チキータを使いこなせれば、相手に「台上も危険な場所」と認識させられるでしょう。

メリット2.相手のさまざまな回転のサーブに対応できる

チキータは威力が高いだけでなく、さまざまな回転のサーブに対応できるため、戦略の幅が大きく広がります。

特にアマチュア卓球では、相手サーブの回転がわからず対応できない場合も多くあります。

チキータなら相手のかけた回転に対して、より強い回転で打球するため、回転がわからない場合でも返球しやすいです。

ただし、チキータでも「真下の回転がかかった軌道の低いボール」は返球が困難です。

真下の回転がかかったボールには、ボールの下側を擦って短いボールを返す「ツッツキ」で対応しましょう。

チキータで対応しづらい下回転の場合に備え、瞬時にツッツキに変更する技術も身につけておけば、実戦にも対応できるレシーブ力が身につきます。

メリット3.同じフォームから複数の回転で攻撃できる

チキータはとらえるボールの面を変えることで、同じフォームでさまざまな回転をかけられます。

そのため、レシーブで相手を困惑させられるのもチキータの大きな強みです。

また、チキータを使うことで、サーブレシーブを攻撃の機会に変えられます。

サーブレシーブは相手の回転に合わせて返球するため、後手の対応になることがほとんどです。

ただし、チキータを使えると、サーブレシーブから攻撃を仕掛けることが可能です。

チキータを使えれば、ゲームの主導権を握りやすくなるでしょう。

チキータのデメリット2選

実はチキータにはデメリットも存在します。

デメリットもしっかりと理解することで、より戦略的な卓球ができるようになります。

  • 初心者がいきなり習得するのは難しい
  • 「狙い撃ち」されるリスクもある

それぞれ解説します。

デメリット1.初心者がいきなり習得するのは難しい

チキータは初心者がいきなり習得するのは難しいといわれています。

なぜならチキータは台上でラケットを高速で振り抜く技術のため、高いラケットコントロールが要求されるためです。

構え方からもわかるとおり、足の位置や前傾姿勢の深さなど、あらゆる点がフォア・バックの基本的な打ち方と異なります。

基本技術でラケットや体の使い方を身につけていなければ、チキータでの返球すらままならないでしょう。

チキータを習得する方は、まず基本技術を一通り身につけたうえでチキータ習得に望むことをおすすめします。

デメリット2.「狙い撃ち」されるリスクもある

チキータは今となっては現代卓球の基本技術として多くの選手が使用していると前述しました。

なかにはチキータで返球されることに慣れている選手もおり、チキータを狙い撃ちされる危険もあります。

チキータでの返球が予測される理由は、以下のとおりです。

  • チキータを打つためにバックハンド側を過剰に広くとっている
  • サーブを打たれる前からひじや手首がチキータの姿勢になっている
  • サーブレシーブにチキータを多用しすぎる

このようなプレー上のクセが出てしまうと、チキータを打つことが相手に見透かされてしまいます。

狙い撃ちされないよう、チキータは「レシーブの一手段」という認識にとどめておきましょう。

前述の「ツッツキ」に瞬時に対応を変更する練習をしておけば、相手に予測されづらいサーブレシーブを身につけられます。

まとめ

この記事では、チキータの由来から実戦に活かす方法まで一通り解説しました。

  • チキータとは、レシーブから攻撃に転じられる現代卓球に欠かせない技術
  • チキータを使えば相手の回転を気にせず、威力の高いレシーブを返せる
  • チキータでは腕をやわらかく使い、手首を高速で返すラケットコントロールが重要

チキータを使いこなせれば、レシーブから攻撃に転じられるためゲームの主導権を常に握れます。

ただ初心者には習得が難しく、基本のラケットコントロールが身に付いていなければ使いこなせないでしょう。

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