「しゃがみ込みサーブが全然読めない……」
「もっと相手を惑わすサーブを身につけたい」
「しゃがみ込みサーブの打ち方がわからない」
卓球の試合では、サーブで優位に立てるかどうかが勝敗を大きく左右します。数あるサーブの中でも、しゃがみ込みサーブは強い回転と意表を突くフォームで相手を翻弄できる強力なサーブです。
しかし、しゃがみ込みサーブは難易度が高く、練習を始めても挫折してしまった方も多いのではないでしょうか。
この記事ではしゃがみ込みサーブの基本的な打ち方やコツ、実践的な練習方法にくわえて、レシーブの方法についても解説しています。
しゃがみ込みサーブを習得したい方や、レシーブの仕方がわからない方はぜひ参考にしてください。
目次
しゃがみ込みサーブとは?
しゃがみ込みサーブとは、その名の通り、サーブを打つ際に深くしゃがみ込んで打つサーブです。
通常のサーブとは異なり、ボールを高めにトスアップし、落下してくるタイミングでしゃがみ込みながら打つのが大きな特徴です。
このサーブの最大の魅力は、さまざまな回転をかけられることです。ボールを打つ位置や角度を少し変えるだけで、上回転・下回転・横回転などを自在に操ることができます。特に、横回転(左回り・反時計回り)を基本としながら、上回転や下回転の要素を加えることで、何種類ものサーブを打つことができます。
プロでは松平健太選手や、中国女子の丁寧選手が使用していますね。プロレベルのしゃがみ込みサーブは、どんな回転なのか見ていても本当にわかりません。
しゃがみ込みサーブのメリット3つ
しゃがみ込みサーブのメリットを3つ紹介します。
- 回転量が増える
- 相手から見えにくい
- 精神的プレッシャーを与えられる
しゃがみこみサーブを使ってみたい方はぜひ参考にしてください。
しゃがみ込みサーブのメリット1.
回転量が増える
しゃがみ込みサーブの最大のメリットは、通常のサーブよりも強い回転をかけられる点です。
しゃがみ込む動作自体がスイングに大きなエネルギーを加えるからです。また、通常よりも高めにトスを上げるため、ボールが重力で加速しながら落下する速度を利用できます。
このボールの落下としゃがみ込む動作が組み合わさることで、より強い回転エネルギーがボールに伝わります。
しゃがみ込みサーブのメリット2.
相手から見えにくい
しゃがみ込みサーブのもう一つの大きなメリットは、打球の瞬間が相手から見えにくいことです。
通常のサーブとは異なり、体全体が動きながら打球するため、打球の瞬間を目で追うのが難しくなります。打球の瞬間を目で追うのはプロ選手でも難しいでしょう。
しゃがみ込みサーブのメリット3.
精神的プレッシャーを与えられる
しゃがみ込みサーブを使う選手はそれほど多くありません。そのため、大会で初めてしゃがみ込みサーブを受ける選手もいるでしょう。
その際、「どんなサーブが来るんだろう」「どうレシーブすればいいんだろう」と相手が感じる精神的プレッシャーは、意外と大きなものです。
また、体をしゃがみ込みながら打つという特異なフォームも、相手にこのサーブを脅威として意識させます。卓球はメンタル面が非常に重要なスポーツのため、精神的プレッシャーを与えられるのは大きなアドバンテージになります。
しゃがみ込みサーブのデメリット
メリットの大きいしゃがみ込みサーブですが、2つほどデメリットもあるので解説します。
- 習得難易度が高い
- 3球目の対応に遅れやすい
しゃがみこみサーブを使おうと思ってる方は、必ずチェックしてください。
しゃがみ込みサーブのデメリット1.
習得難易度が高い
しゃがみ込みサーブの最大のデメリットは、習得の難しさです。このサーブを安定して打てるようになるには、相当な練習量が必要となります。
まず、しゃがみ込む動作自体が体に負荷をかけます。特に膝や腰に不安のある選手にとっては、習得が難しいでしょう。また、しゃがみ込みながら打球するのはタイミングを合わせるのが難しく、最初は空振りしたり、狙ったコースに打てなかったりするかもしれません。
さらに、トスの高さや位置、ラケットの角度など、多くの要素を同時にコントロールする必要があります。少しでもタイミングがずれると、強い回転をかけるどころか、ボールをコートに入れることすら難しくなってしまいます。
このように習得が難しいため、しゃがみ込みサーブを使用する選手はそれほど多くありません。
しゃがみ込みサーブのデメリット2.
3球目の対応に遅れやすい
もう一つの大きなデメリットは、サーブ後の体勢から3球目への移行が難しい点です。
しゃがみ込んだ姿勢でボールを打った後、通常の構えに戻るまでに時間がかかります。これは、サーブ直後に一度膝を深く曲げて沈み込むため、そこから上体を起こす必要があるからです。特に、素早いレシーブが返ってきた場合、正しい準備姿勢で3球目を打つことが難しくなるかもしれません。
また、このサーブは体力の消耗も伴います。スクワットをしながらサーブを打つようなものなので、繰り返し使うと試合の後半には体力が低下し、動きが鈍くなってしまう恐れがあります。
こうしたデメリットを考慮し、しゃがみ込みサーブは毎回使用するのではなく、重要なポイントや戦術的に有効なタイミングで使うことをおすすめします。
しゃがみ込みサーブの基本的な打ち方
しゃがみ込みサーブの基本的な打ち方を解説します。以下の手順で練習してみましょう。
- 台から少し離れた位置(通常より30~50cm程度後ろ)に立ちます。台に近すぎると、しゃがみ込む動作中にラケットが台に当たってしまうリスクがあるためです。
- 体は基本的に台に対して正面を向け、足は肩幅程度に開きます。
- 通常のサーブよりも少し高め(30~50cm程度)に、体の正面からやや右側(右利きの場合)にトスアップします。
- ボールが頂点に達し、落下し始めたタイミングで、ボールと一緒にしゃがみ込み始めます。
- ラケットを後方に引き、バックスイングの姿勢を作ります。このとき、ラケットは頭の高さよりやや上の位置にあるのが理想的です。
- ボールが顔の高さ付近まで落ちてきたところで、ラケットを振り下ろして打球します。
- 打球後は素早く通常の構えに戻り、3球目に備えましょう。
しゃがみ込むタイミングとラケットをボールに当てる動作は、最初は難しいかもしれません。各動作をゆっくり分解して練習し、徐々に一連の動きをスムーズに行えるようにしましょう。
しゃがみ込みサーブを成功させる5つのコツ
高難度のしゃがみ込みサーブを成功させるコツを5つ紹介します。
- 台から少し離れて打つ
- 思い切りスイングする
- 顔の近くで打球する
- ボールの切り方を工夫する
- 体重移動を意識する
しゃがみ込みサーブを試合で使いたい方は、ぜひ参考にしてください。
しゃがみ込みサーブのコツ1.
台から少し離れて打つ
しゃがみ込みサーブを成功させる第一のコツは、適切な距離を取ることです。台から30〜50cm程度離れた位置に立つことで、ラケットが台に当たる心配がなくなり、スイングしやすくなります。
なぜなら、台に近すぎるとラケットが台に当たったり、スイングが制限されたりして、十分な回転をかけられなくなってしまうからです。適度な距離を取ることで、しゃがみ込む際のバランスもとりやすくなります。
ただし、離れすぎるとサーブが長くなりやすく、短いサーブが打ちにくくなるというデメリットもあります。自分の身長や腕の長さ、しゃがみ込みの深さなどを考慮して、最適な距離を見つけましょう。
しゃがみ込みサーブのコツ2.
思い切りスイングする
しゃがみ込みサーブの強い回転を生み出すには、思い切ったスイングが不可欠です。
最初はコースや正確さを気にせず、思い切ってスイングしてみましょう。そのことで、回転もスピードも自然とついてきます。プロのようなサーブが打てないと感じている方は、まず「しっかり振り切る」ことに集中してみてください。
しゃがみ込みサーブのコツ3.
顔の近くで打球する
しゃがみ込みサーブを安定させるには、打球位置が重要です。ボールを顔の近く、特に目線の高さで打つことでサーブの安定性が高まります。
顔の高さより高すぎたり低すぎたりすると、うまくパワーが伝わらず、サーブも不安定になります。トスしたボールと顔の高さが同じくらいになるように意識し、同時に沈み込むイメージを持つとやりやすくなります。
しゃがみ込みサーブのコツ4.
ボールの切り方を工夫する
しゃがみ込みサーブの多彩さは、ボールの切り方によって決まります。同じフォームから異なる回転を出し分けるには、この「切り方の工夫」が不可欠です。
基本はボールの右側(右利きの場合)を捉え、反時計回りの横回転(逆横回転)をかけます。ラケットをボールの側面に沿わせるように当て、左方向に擦り抜けるイメージで打ちます。
ここから派生して、右上側を捉えれば逆横上回転、右下側を捉えれば逆横下回転になります。ラケットの角度によって回転の種類や強さを調整することも可能です。
しゃがみ込みサーブのコツ5.
体重移動を意識する
しゃがみ込みサーブに威力を出すには、体重移動が非常に重要です。
基本的な体重移動は、後ろ足から前足への移行です。サーブの構えでは後ろ足にやや体重を乗せておき、スイングと同時に前足に体重を移します。この体重移動が、スイングにエネルギーを加えることにつながります。
しゃがみ込む動作自体も、上から下への体重移動です。最初は少しオーバーに意識して体重を移動してみると、感覚をつかみやすいでしょう。
様々な回転のしゃがみ込みサーブの出し方
回転が読みにくいしゃがみ込みサーブを使うには、同じフォームから異なる回転を出せるようになることが重要です。今回は以下の2種類の回転の出し方を紹介します。
- 下回転系
- 上回転系
この2つの回転が使えるようになれば、より強力なサーブになります。
回転のかけ方1.
下回転系
しゃがみ込みサーブはボールの側面を捉えるため、下回転系は逆横下回転となります。回転が強力な下回転系は、相手にツッツキをさせやすいため、3球目攻撃がやりやすくなります。
以下が下回転系サーブの出し方です。
- ボールが頂点に達し、落下し始めたタイミングでボールと一緒にしゃがみ込み始めます
- ラケットを後方に引き、バックスイングの姿勢を作ります
- ボールが顔の高さ付近まで落ちてきたところで、ラケットを振り下ろし始めます
- 振り下ろしと同時にラケットの面を若干、天井に向けて開きます
- ボールの右下側を捉えて、斜めに振り下ろします
- 打球後は素早く通常の構えに戻り、3球目に備えます
より強い下回転をかけるためのポイントは、接触時間を長くすることです。ボールを弾くのではなく、ラケットがボールに長く接触するようなイメージで打球すると、回転量が増します。
ボールの下側を捉えようと、ラケットの面を開きすぎると相手に下回転系だとバレてしまうので、注意しましょう。
回転のかけ方2.
上回転系
しゃがみ込みサーブの逆横上回転系は、ボールの上側を捉えるため、落ちてくるボールの下側を捉える下回転系より打ちやすいでしょう。
以下が上回転系サーブの出し方です。
- ボールが頂点に達し、落下し始めたタイミングでボールと一緒にしゃがみ込み始めます
- ラケットを後方に引き、バックスイングの姿勢を作ります
- ボールが顔の高さ付近まで落ちてきたところで、ラケットを振り下ろし始めます
- 振り下ろしと同時にラケットの面を床側に向けて閉じます
- ボールの右上側を捉えて、後ろから前へ斜めに振り下ろします
- 打球後は素早く通常の構えに戻り、3球目に備えます
こちらも下回転系同様、ラケットを下に向けすぎると上回転系だとバレてしまいます。バック面が相手に見えるぐらい閉じてしまわないように注意しましょう。
上回転系と下回転系をバレない様に打ち分けられるかどうかが大きなポイントです。繊細なラケット角度の調整、打球のタイミングなどを調整して、バレにくい打ち方を覚えていきましょう。
しゃがみ込みサーブの効果的な練習方法3選
高難度のしゃがみ込みサーブが打てるようになるための効果的な練習方法を3つ紹介します。
- コートに入るまでサーブ練習
- スピードと高さを重視したサーブ練習
- 3球目攻撃までのパターン練習
しゃがみ込みサーブを練習したい方は、ぜひ参考にしてください。
しゃがみ込みサーブの練習方法1.
コートに入るまでサーブ練習
まずは、10回打って10回ともコートに入るようになることを目標にしましょう。
ボールを大量に用意し、何球も連続してサーブの練習を行います。可能であれば、仲間にフォームを見てもらい、改善点をチェックしてもらいましょう。
この段階では、スピードや回転量よりも「安定してコートに入れること」が最優先です。しっかりボールを見て、しゃがみ込みながら確実にラケットに当てる感覚を養いましょう。
しゃがみ込みサーブの練習方法2.
スピードと高さを重視したサーブ練習
上回転系と下回転系を使い分けて、安定してコートに入るようになったら、次は精度を上げる段階です。
体重移動やスイング、打球点を意識しながら、サーブのスピードと高さを調整します。スピードが出ない場合は体重移動やスイングが不十分かもしれません。ボールが高すぎる場合は、打球点が高すぎる可能性があります。
レシーブで攻められないよう、浮いたサーブにならないよう注意して練習しましょう。
しゃがみ込みサーブの練習方法3.
3球目攻撃までのパターン練習
しゃがみ込んだあとの3球目攻撃につなげるための練習です。
練習相手を用意し、しゃがみ込みサーブを打ってから、相手のレシーブに対して3球目攻撃を行うという流れを繰り返します。なるべく早いタイミングでレシーブしてもらうと、実践的な対応力が身につきます。
素早く構えに戻ってレシーブを待てるようになることが重要です。しゃがみ込みサーブは足腰に負担がかかるため、練習の合間にはしっかり休憩を取りましょう。
初心者がしゃがみ込みサーブを習得するためのステップ
しゃがみ込みサーブは、初心者にとって難易度の高い要素が多いため、段階的に練習することが大切です。
まずは「逆横上回転系」のサーブを習得することをおすすめします。逆横下回転系よりもラケットの角度や打球タイミングの調整がしやすいためです。
このサーブに慣れてきたら、次に「逆横下回転系」の習得に進みましょう。しゃがみ込みのタイミング、ラケットを当てる感覚、ボールの見方を1つずつ覚えていけば、徐々に身につけることができます。
しゃがみ込みサーブは複数の回転を使い分けることで威力を発揮するので、1種類習得したら、もう1種類も必ず習得しましょう。
しゃがみ込みサーブのレシーブ方法
最後に相手がしゃがみ込みサーブを使ってきた場合の、レシーブ方法を2つ解説します。
- ツッツキ&ストップ
- ドライブ
しゃがみ込みサーブのレシーブを苦手としてる方は、ぜひ参考にしてください。
しゃがみ込みサーブのレシーブ方法1.
ツッツキ&ストップ
逆横下回転系には、ツッツキやストップが有効です。
回転量が多いため、ラケットの角度を相手のバック側に傾け、回転に合わせてツッツキましょう。強い下回転に対するストップは難易度が高く、ネットにかかりやすいため、最初はツッツキから始めるのがおすすめです。
また、相手はこちらのレシーブ方向を予測している可能性があるので、回転に対応しつつ予想を裏切るコースにツッツキを送る工夫も大切です。
しゃがみ込みサーブのレシーブ方法2.
ドライブ
逆横上回転系や、少し浮いたサーブにはドライブで攻め返しましょう。
横回転が強いため、しっかりとボールの上部を擦り、上回転をかけて返球します。台を出るように見えても、ギリギリ出ないサーブもあるので、ロングサーブと決めつけず注意して打ちましょう。
短いサーブの場合は台上ドライブになりますが、攻めるというよりは、しっかりと安定した回転で返すことを意識してください。
まとめ
今回は、しゃがみ込みサーブについて徹底的に解説しました。
しゃがみ込みサーブは難易度が高いですが、習得すれば確実に武器になります。時間をかけて丁寧に練習すれば、誰でも打てるようになる可能性は十分あります。
サーブに自信がない方こそ、ぜひ今日から練習を始めてみてください。
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