卓球の促進ルールをご存知でしょうか?
実は卓球には試合の進行を促進するためのルールが存在します。
とはいえ、促進ルールは適用されることが多くないため、その存在や内容を知らない方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、卓球の促進ルールの内容について解説します。
大会に出場する方や、卓球をもっと楽しみたい方はぜひご一読ください。
目次
卓球の促進ルールとは?
卓球の促進ルールは、試合が長引かないようにするためのルールです。
卓球は両者の実力が拮抗して試合が長引くことが稀にあります。試合が長引いてしまうと、大会の進行に遅れが生じてしまいます。
選手はもちろん、運営陣や観戦者など他方に好ましくない影響を及ぼす可能性があります。
こういった状況を生み出さないためにも、促進ルールが導入されているのです。
卓球の促進ルール導入の背景
卓球の促進ルールは、試合の長期化を防ぐために生まれました。
そのきっかけは1936年までさかのぼるといわれています。
世界選手権で、1時間以上続くラリーが発生し、審判が疲労で交代する事態が起きました。
これにより試合進行に支障をきたし、ルール変更の必要性が求められました。
そこで、一定時間を超えると制限付きのラリーに切り替わる促進ルールが導入されたのです。
卓球の促進ルールが適用される条件
卓球の促進ルールは、一定の条件下で適用されます。
条件は、以下の3つです。
- 1ゲームの中で10分を経過して合計点数が18点未満
- 選手同士が合意をした場合は試合の最初から適用される
- 審判長判断で促進ルールが適用されるケースもある
以下で、それぞれの条件について、具体的に解説します。
1ゲームの中で10分を経過して合計点数が18点未満
卓球の促進ルールは1ゲームが10分を超え、かつ両者の合計得点が18点未満の場合に適用されるルールです。
審判がストップウォッチで試合時間を測定し、タイムアウトを除いた実質的な試合時間で判断します。
例えば、10分経過時点で9-9や10-8のスコアの場合、促進ルールが適用されます。
選手同士が合意をした場合は試合の最初から適用される
試合開始前に両選手・両組が合意すれば、最初から促進ルールを適用した試合も可能です。
長期化が予想される試合で、双方が効率的な進行を望む場合に選択されます。
たとえば、過去に長時間の対戦経験がある選手同士が、試合前に「最初から促進ルールを使おう」と合意するケースがあります。
審判長判断で促進ルールが適用されるケースもある
審判長の判断で促進ルールが適用されるケースがあります。
例えば、他の試合が進行しているにもかかわらず、ある試合だけが長引き、大会運営に支障をきたす場合に審判長判断で適用されます。
卓球の促進ルールの具体的な内容
このルールが一度適用されると、試合が終わるまでのすべてのゲームのルールが下記の通り変更されます。
変更要素 | 促進ルール適用前 | 促進ルール適用後 |
サーブ | 2本ずつで交代 | 1本ずつで交代 |
レシーバーのリターン数 | リターンの回数は無制限 | 13回リターンすれば1得点 |
審判 | 審判のコールは得点時のみが基本 | 第三審判が主神の横でリターンのたびにリターン数をコールする |
それぞれの内容を詳しく解説します。
サーブは2本交代から1本交代へ
促進ルールでは、サーブが2本交代から1本交代に変更されます。
この変更には2つの理由があります。
- レシーバーが有利になるルールのバランスを取るため
- 試合のリズムを速めてポイントを入りやすくするため
サーブとリターンの機会が均等になり、より公平でスムーズに試合が進むのです。
レシーバーは13回リターンすれば1得点になる
促進ルールでは、レシーバーが13回目の打球を相手コートに返せば得点となります。
13回までの間に得点しても問題ありません。
ですから、レシーバーは粘り強く13回目まで返球を続けるか、それ以前に攻撃を仕掛けるか戦略を選べます。
ただし、多くの選手は、ミスのリスクを避けて慎重にラリーを続ける傾向があります。
促進ルールは最終ゲームまで有効
卓球の促進ルールは、一度適用されると試合終了まで継続します。
ゲーム進行の一貫性を保つためです。
例えば、1ゲーム目で促進ルールが適用された場合、たとえ次のゲームが10分未満で終わっても、元のルールには戻りません。
卓球の促進ルールが必要な理由
卓球の促進ルールは、スムーズに試合を進めるために必要です。
促進ルールがない場合、試合が数時間にまで及ぶ可能性があります。
数時間にまで及んでしまった場合は「大会が進まない」「選手の負担が重くなる」などのデメリットがあるのです。
以下で、促進ルールが必要な理由について、具体的に解説します。
進行・運営上の理由
卓球の促進ルールは、大会運営を円滑に進めるために必要です。
長引く試合は、全体のスケジュールに大きな影響を与える恐れがあります。
仮に一試合が予定以上に長引いてしまった場合、後続の試合開始が遅れたり、最悪の場合、会場使用時間を超過したりする恐れがあるのです。
促進ルールを適用することで、各試合を適切な時間内に収められます。
選手・審判の負担を軽減するため
卓球の促進ルールは、選手と審判の負担軽減のためでもあります。
長時間の試合は、疲労による怪我のリスクが高まったり、集中力が低下したり、過度の負担を与えてしまうからです。
また、審判も長時間の集中を強いられ、判定ミスの可能性が増加します。
促進ルールにより、選手のコンディション維持と審判の正確な判定が可能になります。
促進ルールが適用される流れ
促進が適用される具体的な流れは、以下のとおりです。
- 10分経過の確認
- 促進ルールの適用宣言
- 促進ルールの説明
- 試合再開
それぞれの具体的な動きを、以下で解説します。
促進ルールが適用される流れ1.
10分経過の確認
促進ルール適用は、試合時間の10分経過確認から始まります。
主審のみの場合は主審が、副審がいる場合は副審がストップウォッチで厳密に時間を計測します。
促進ルールが適用される流れ2.
促進ルールの適用宣言
10分が経過し、促進ルールを適用する際は、審判が適切なタイミングで試合を中断し、ルール変更を宣言します。
ラリー中であれば「レット」と呼びかけてプレーを止め、ラリー外なら「ストップ」と宣言します。
促進ルールが適用される流れ3.
促進ルールの説明
促進ルール適用時、審判は選手に変更点を説明します。
主な説明内容は、サービスが1ポイントごとに交代することと、13回のリターンでレシーバーが得点することです。
審判は選手の理解を確認し、質問があれば回答します。
促進ルールが適用される流れ4.
試合再開
選手が促進ルールを確認した後、試合を再開します。
再開時のサーバーは、以下の2通りです。
- ルール適用時にラリー中だった場合、そのサーバーが継続
- ラリー外だった場合は、直前のレシーバーが新たなサーバー
卓球の促進ルールが適用された場合の戦い方
卓球の促進ルールが適用された場合は、ルールが変更されるために戦い方も変えなければいけません。
以下で、促進ルール下の戦い方について「サーバー」「レシーバー」「メンタル」の3つの観点から解説します。
サーバーの戦い方
促進ルール下でのサーバーは、より攻撃的な戦略を取る必要があります。
13回以内にポイントを決めなければならないためです。
例えば、サービスエースを狙ったり、3球目で強烈な攻撃を仕掛けたりします。
具体的には、回転の強いサービスや相手の弱点を突くコースを選ぶと良いでしょう。
また、ラリー中もスマッシュやスピードドライブを多用し、相手の守備を崩すよう努めます。
レシーバーの戦い方
促進ルール下でのレシーバーは、より守備的な戦略を取ることが有効です。
13回返球すればポイントが得られるためです。
例えば、通常は攻撃的な選手でも、安定したリターンを心がけ、無理に攻めずに確実に返球すると良いでしょう。
また、相手の攻撃に冷静に対応し、ミスを誘う戦術も効果的です。
相手が焦って攻撃してくる場合、それを利用してミスを誘発するプレーを心がけます。
プレッシャーとの戦い方
促進ルール下では、選手のメンタルの向き合い方も重要です。
時間制限とポイント獲得の条件変更により、プレッシャーが増大するためです。
例えば、サーバーは13回以内にポイントを決めなければならず、焦りが生じやすくなります。
この状況下で成功するには、冷静な判断力、持続的な集中力、ポジティブな心構えが不可欠です。
まとめ
プロとしての試合を考えるなら、促進ルールについては理解しておいて損はありません。
また、促進ルールが適用された場合の戦い方についても、本記事を参考に覚えておくと良いでしょう。
ぜひ、細かなルールを理解しながら、戦術の組み立てや技術の向上に努めてください。
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