『練習がいまいち楽しくない』
『選手が練習に飽きているのがわかる』
『楽しいと思える練習メニューが知りたい』
卓球は楽しいですが、練習はしんどいことも多いので、つまらないと思う事もありますよね。
筆者も試合は楽しかったですが、練習は楽しくなくて帰りたいと思ったことが何度もあります。
そこで今回は、楽しいと感じられる練習メニューの作り方と具体的な練習メニューを解説しました。記事後半には、楽しい練習メニューを導入するうえでの注意点も書いてあるので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
卓球の楽しい練習メニューはなぜ必要か
卓球の練習メニューに楽しさを重視したメニューは必要です。
なぜなら、どれだけ効果的な練習だとしても楽しさを感じられなければ、いずれモチベーションが低下して、やる気を失ってしまうからです。
筆者が高校1年生の頃はハードな練習ばかりで、勝てない選手のモチベーションが低下し、サボる選手が増えていき、練習参加率は50%を切っていたこともあります。
そこで筆者が2年生になって楽しさを重視したメニューを導入すると、練習参加率が70%以上になり、部内に活気が溢れたことを今も覚えています。
効果的であろうと卓球の楽しさを感じられない練習だけだと、選手のモチベーションは低下する一方です。楽しさを感じられるメニューを導入していきましょう。
【指導者向け】楽しい練習メニューのポイント
部活やクラブで指導している方に向けて、楽しい練習とはどういうことなのかという原則を解説します。
楽しさの種類
楽しさには大きく分けて4つの種類があり、それぞれ異なる効果をもたらします。指導者はこれらを理解し、適切に組み合わせることが重要です。
- 競争の楽しさ
- 達成の楽しさ
- 新鮮さの楽しさ
- 協力の楽しさ
競争の楽しさは、最もわかりやすく、勝敗が明確で、達成感や悔しさといった感情が生まれやすいです。ただし、実力差がある場合は工夫が必要で、ハンデをつけるなどの配慮が求められます。
達成の楽しさは、個人の成長を実感できるかどうかです。
たとえば「初めてラリーが10回続いた」「サーブが入るようになった」など、小さな成功体験の積み重ねが大きなモチベーションになります。
新鮮さの楽しさは、マンネリ化を防ぐ重要な要素です。新しい技術への挑戦、普段と違うルールでの練習など、変化を取り入れることで練習への興味を維持できます。
協力の楽しさは、チームスポーツならではの醍醐味です。仲間と協力して、応援し合い、一体感を感じる経験は充実感を与えます。
レベル別の配慮ポイント
選手のレベルに応じて、楽しさの種類と難易度を調整する必要があります。
たとえば、初心者には達成感を重視し、上級者には競争と新鮮さを組み合わせるなどがいいでしょう。
また、同じ練習でもレベル別にルールを変更することで、全員が楽しめる環境を作ることができます。例えば、的当て練習でも初心者は大きな的、上級者は小さな的にするなど、細かな配慮はできるでしょう。
卓球にハマる前のレベルなのか、ハマってから楽しさを忘れてるレベルなのかなど、その選手がどういう心情なのかを考えることが大切です。
レベル別楽しい練習メニューのポイント
子どもから大人の中級者以上まで、レベル別で楽しいメニューを作る際のポイントを解説します。
小学生以下用
小学生以下の子どもの練習では「できた!」という成功体験を多く作ることが最重要です。
集中力が続く時間も短いため、10〜15分で練習内容を変えていくことが効果的です。
また、ゲーム要素を強くすることで、飽きずに続けられます。例えば、ポイント制にして「今日は○○ポイント獲得!」といった達成感を可視化すると、次の練習への意欲にもつながります。
親の見学がある場合は、子どもが活躍できる場面を意図的に作ることも大切です。
初級者用
大人も含めた中高生以上の初心者には卓球の楽しさを体感してもらうことが第一です。
ラリーが続く喜び、狙った所に打てる快感、回転がかかる面白さなど、卓球特有の魅力を感じられる練習を心がけます。
技術的な完成度よりも、「卓球って楽しい!」と感じてもらうことを優先します。多少フォームが崩れていても、まずはボールを打つ楽しさを味わってもらい、徐々に修正していくアプローチが効果的です。
グループでの練習を多く取り入れ、仲間との交流を深めることも忘れないでください。一緒に練習していく仲間の存在は、継続の大きなポイントになるからです。
中級者以上用
個人の大会に出場して3,4回戦以上を突破できる中級者以上の方には、自身の成長を実感させることが重要です。
試合形式の練習を増やし、自分の課題を見つけさせて、それを練習で克服する充実感を得てもらうのもいいでしょう。
また、中級者以上は卓球の楽しさを知ってはいますが、燃え尽き症候群に近い状態になる人もいます。その時は、勝ち負けではなく卓球の楽しさを重視したゲームをやってみることをおすすめします。
【初心者向け】おすすめ楽しい練習メニュー
では子ども含めた初心者向けの楽しい練習メニューを紹介します。
練習メニュー1.球拾いゲームで球拾いを楽しく
- 対象レベル:初心者
- 必要人数:3人以上
- 時間:10分
- 道具:ボールを入れるかご
・ルール
多球練習などを一通りやったあとに、チームに分かれて時間制限付きで球拾いを行います。より多く拾ったチームが勝ちです。
・楽しさのポイント
球拾いをあえてゲーム化することで、練習のマンネリ化を防ぎます。全身を使う運動にもなるので序盤のウォーミングアップにもいいでしょう。
・アレンジアイデア
- 利き手は使用禁止ルール
練習メニュー2.台周りランニングで体力アップ
- 対象レベル:全レベル
- 必要人数:2人以上
- 時間:5分~10分
- 道具:なし
・ルール
卓球台の周りを各台3人以下で決められた数、周回します。周回のタイムを競いましょう。怪我の恐れがあるので、全力ダッシュではなくサイドステップなどで行いましょう。
・楽しさのポイント
単純な体力トレーニングですが、チームで行うことで楽しさが増します。サイドステップだけでなく、ジャンプやけんけんなどの動き方に制限を付けるともっと楽しくなるでしょう。
・アレンジ案
- リレー形式
- 音楽をかける
練習メニュー3.スマッシュゲームで狙い撃つ快感を楽しむ
- 対象レベル:初心者
- 必要人数:2人以上
- 時間:10分
- 道具:的(紙コップ、凹んだボールなど)
・ルール
多球練習の要領で、スマッシュを打つ側に球出し側が高めのボールを出します。打つ側は的を狙ってスマッシュをします。的に的中した回数で勝敗を決めましょう。
・楽しさのポイント
スマッシュを決める爽快感と的を狙うゲーム性が合わさり、誰でも楽しめる練習です。的を狙うのは、技術向上にもなるので楽しさと効率のバランスもいい練習メニューとなっています。
・アレンジ案
- 大小の的を用意してポイント制にする
- 時間制限を設ける
- アウトになった球の数だけマイナス点にし、緊張感を生み出す
【中級者向け】おすすめ楽しい練習メニュー
卓球に慣れ始めて、試合でも勝てるようになってきた中級者以上に向けて、おすすめの楽しい練習メニューを紹介します。
練習メニュー1.的あて多球練習で当てた回数を競う
- 対象レベル:中級者
- 必要人数:2人以上
- 時間:10分
- 道具:的
・ルール
スマッシュ的当てではなく、多球練習で動きながら、そして打ち方を制限して的当てを行います。当たった回数で勝敗を決定します。
・楽しさのポイント
単調な多球練習に的当て要素を入れるだけで、集中力が変わります。多球練習をしている台ごとにチーム戦にすることで、さらに盛り上がるでしょう。
・アレンジ案
- すべての的を倒すのに使用した球の数で競う
練習メニュー2.ロビング打ちで守備対決
- 対象レベル:中高生以上
- 必要人数:2人
- 時間:15分
- 道具:ラケットとボール
・ルール
一方が台から大きく下がりロビングをし、もう片方がそれを思い切りスマッシュをし、ロビングでもう一度返すというのを繰り返します。勝敗を決める必要は必ずしもありませんが、攻守交代などを取り入れるといいですね。
・楽しさのポイント
実際の試合でロビングを上げる回数はそれほど多くありません。しかしプロの試合ではロビングでピンチをしのぐ場面がよくあります。この練習ではそんなプロの様なロビングでしのぐ場面を体験できます。
・アレンジ案
- ロビング側が攻撃に切り替えることも可能にする
- スマッシュ側がロビングをストップすることを可能にする
練習メニュー3.エレベーターゲームでスリルのある試合を
- 対象レベル:中級者以上
- 必要人数:4人以上
- 時間:30分
- 道具:2台以上の台
・ルール
- 台の数だけ一位コートから最下位コートを決めます。
- 1ゲームマッチを全員で一斉に行います
- どこかの台で試合が終われば「終わり―」と声をあげます
- その時点で、すべての台は試合終了です。現時点の得点が高い方が勝利します
- 勝利した人は1位コートに近いコートに進み、負けた人は最下位コート側に移動します
・楽しさのポイント
エレベーターのように選手が台を移動するからエレベーターゲームと呼びます。上を目指すことと順位が可視化されるので、モチベーションがあがります。最下位コートに落ちた後に一位コートまで上がる時の快感はとてつもないです。
・アレンジ案
- 試合に制限ルールを付ける(例えばツッツキ禁止など)
- 上がってきた選手にはハンデが与えられるルールをつける
【上級者向け】おすすめ楽しい練習メニュー
最後に上級者でも楽しめる練習メニューを紹介します。
練習メニュー1.的あて多球練習でプロ技にチャレンジ
- 対象レベル:上級者
- 必要人数:2人以上
- 時間:10分
- 道具:特になし
・ルール
- 卓球台の隅にコップを置く
- 多球練習をしながらループドライブでコップに入れる
・楽しさのポイント
コップの中にピンポイントでボールを入れるのはかなり難しく、達成できた時の喜びが大きいでしょう。
・アレンジ案
- コップを複数置き、連続で入るまで続ける
練習メニュー2.戦型交換試合で新しい才能を発見
- 対象レベル:中級者以上
- 必要人数:2人以上
- 時間:10分以上
- 道具:特になし
・ルール
自分と全く違う戦型の選手とラケットを交換し、互いの戦型を真似て試合を行う。
・楽しさのポイント
今まで全くやったことがないプレーで勝負することになるため、新鮮さが抜群です。新たな発見や思わぬ才能を見つけたりなど、和気あいあいとできるでしょう。
・アレンジ案
- アンチラバーなど使っている人がかなり少ないラバーを導入する
練習メニュー3.賞品付き団体戦、混合ダブルスで燃えよう
- 対象レベル:中級者以上
- 必要人数:8人以上
- 時間:1時間以上
- 道具:賞品
・ルール
3人1チームで2チーム以上に分かれて団体戦を行う。1位には賞品を用意し、ダブルスでは混合ダブルスで行うなどアレンジをする。
・楽しさのポイント
普段本気で試合をすることがない相手と試合をすることになったり、後輩が先輩に勝ったりなど、団体戦は大いに盛り上がります。賞品があるとチームのモチベーションもあがり、より盛り上がるでしょう。
・アレンジ案
- コーチ、指導者にも参加してもらう
- 実力差が明確にある場合はハンデを設ける
飽きさせない楽しい練習メニューを作るコツ
練習メニューを作る際、最も重要なのは「選手が何を楽しいと感じるか」を理解することです。人によって楽しさの感じ方は異なるからです。
- 勝負に勝つことが楽しい選手には競争要素
- 新しいことへの挑戦が好きな選手には変化に富んだメニュー
- 打球感覚を楽しむ選手には爽快感のある練習
個人の楽しさ、モチベーションを意識することが重要になります。
また、練習に「ストーリー性」を持たせることも効果的です。「今日は○○大会」「△△への挑戦」といったテーマを設定し、練習全体にストーリーを与えると、選手の没入感が高まります。
【実体験】楽しい練習メニューで練習参加率が増加
概要:筆者の高校時代の体験談。4月から6月は自主練日が参加率10%以下だったが、練習メニュー改善で50%以上にアップ。
筆者が高校2年生で部長になった時、4月から6月の木曜日の自主練習の参加率は10%未満とかなり低迷していました。
そこで顧問の提案で筆者が考えた「エレベーター式王様ゲーム」(3連勝でボール拾い免除の特典付きなど)を導入すると、7月以降の参加率が50%以上、最大70%近くに上昇しました。
この経験から、練習には「楽しいと思える時間」がないといけないのだなと学びましたね。
楽しい練習メニューの注意点
最後に楽しい練習メニューを導入する際の注意点を3つ解説します。
注意点1.必要な練習とのバランス
楽しい練習は重要ですが、上達のための練習を疎かにしてはいけません。
楽しい練習の中にも、基礎的な要素を組み込む工夫が必要です。例えば、的当てゲームでも正しいフォームで打つことを条件にしたり、球拾いゲームでもフットワークを使うルールにするなど、遊びの中に練習要素を忍ばせましょう。
月間や週間の練習計画を立てる際は、必ず基礎練習の時間を確保してから、楽しい練習を配置します。試合前は基礎を重視し、試合後のリフレッシュ期間に楽しい練習を多めにするなど、時期によってもバランスを調整することが大切です。
注意点2.フットワークやフォームの基礎を忘れない
楽しさを追求するあまり、正しいフォームが崩れてしまっては本末転倒です。特に初心者は、間違ったフォームが定着しやすいため注意が必要です。
楽しい練習の前には必ず基本動作の確認を行い、練習中も適宜フォームチェックを入れます。
指導者は、楽しい雰囲気を壊さない程度に、さりげなく修正の声かけをすることが重要です。「もっと腰を落として!でも良い調子だよ!」といった、ポジティブな修正指示ができるといいですね。
注意点3.目的を明確にした練習設計
すべての練習には明確な目的が必要です。
「今日の練習で何を身につけるか」を選手と共有し、楽しみながらも目標に向かって取り組む姿勢を作ります。
練習前に「今日の目標」を宣言させ、練習後に「達成度」を振り返る時間を設けると、楽しいだけで終わらない、実のある練習になります。
まとめ
今回は楽しさを重視した練習メニューについて解説しました。
ここで取り上げた練習メニュー以外にも楽しい練習メニューを作ることはできます。チームの仲間や指導者と一緒に考えて、チーム全体が盛り上がる楽しい練習メニューを考案してみるのもおすすめです。
ただ、楽しい事だけを求めて練習が疎かにならない様に注意しましょう。指導者、部長は練習計画のバランスに気を配ることを忘れないでください。
まずは、自分のチームのレベルにあった練習メニューをこの記事から1つ選び、実施してみることをおすすめします。