「卓球って筋トレした方がいいのかな?」
「ドライブを強くしたいんだけど、筋トレが必須?」
「卓球で勝てるようになる筋トレのメニューを知りたい」
卓球は筋肉が大きくないと勝てないというイメージのないスポーツなので、筋トレが必要かどうかわかりませんよね。
筆者も高校生の頃から筋トレはやるべきなの悩んでいましたが、筋トレを取り入れた事で大会の実績が大きく変わりました。
個人戦で言えば3回戦止まりだったところから、4,5回戦まではいけるようになりました。卓球の試合で勝つために筋トレは必須です。
そこで今回は、筋トレが必要とされている具体的な理由から、おすすめの練習メニューまで解説しました。記事後半には、プロ選手の具体的なトレーニングメニューも紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
卓球に筋トレは必要か
卓球において筋トレは必要不可欠です。
私自身、高校時代に伸び悩んでいた時期がありましたが、筋トレを本格的に始めてからは、これまで勝てなかった相手にも勝てるようになり、部内での順位を4つほど上がりました。
卓球は確かに回転などの技術や、攻撃パターンなどの戦術が勝敗を大きく左右するスポーツですが、トップレベルになればなるほど、フィジカルの差が試合結果に直結します。
特に長いラリーが続く現代卓球では、体力や筋力の重要性がますます高まっています。卓球で勝ち続けていきたいのであれば、筋トレは必須でしょう。
筋トレが卓球に必要な理由
筋トレがなぜ卓球に必要なのか、その理由を3つに分けて解説します。
理由1.相手が返せない威力の打球が打てる
筋トレによって打球の威力が格段に向上します。
例えば、上半身の筋力が強化されることで、ドライブやスマッシュのスピードが増し、相手が返球しにくい強力なボールを打てるようになるでしょう。
卓球のスマッシュはトップレベルの選手で時速150km以上にも達します。このような高速ボールを安定して打つためには、腕や肩、背中の筋肉が連動して働く必要があります。筋トレによってこれらの筋群を強化することで、高速のボールを打つことが可能です。
また、下半身の筋力も打球の威力に大きく影響します。床を強く蹴る力が向上すれば、その力が体幹を通じて上半身に伝わり、結果的により強力な打球を打てます。プロ選手の多くが下半身トレーニングを重視しているのはこのためです。
理由2.今まで取れなかったボールに追いつくようになる
筋トレによってフットワークの速度と持久力が大幅に向上します。
卓球では前後左右への素早い動きが求められ、さらにその継続が求められます。数秒素早く動けるだけでは、ラリーが続いた場合は負けてしまうでしょう。
下半身の筋力が向上すると、一歩目の踏み出しが速くなり、遠くのボールにも追いつくことが簡単です。また、低い前傾姿勢を長時間維持する筋持久力も向上し、試合後半でも安定したフットワークを維持できます。
下半身だけでなく、体幹の強化もフットワークの向上に役立ちます。体幹が安定することで、ラリーの応酬の中で激しく動いても姿勢がぶれにくくなり、安定したフォームで安定したボールを打つことが可能です。
理由3.ハードな練習をしても怪我をしにくくなる
筋トレは怪我の予防に繋がります。
卓球では腰痛や膝痛、肩の故障などが起こりやすいですが、これらの多くは筋力不足や筋肉のアンバランスが原因です。私も合宿時に前傾姿勢を長時間続けることで、腰痛気味になったことが何度もありますね。
例えば、下半身の筋力強化は膝や足首の怪我予防に効果的です。着地時の衝撃を筋肉が吸収してくれるため、関節への負担が軽減されます。長期的に競技を続けるためにも、筋トレによる怪我予防は非常に重要ですね。
卓球で鍛えるべき筋肉の部位とその理由
筋トレを始めるとして鍛えるべき筋肉の部位とその理由を解説します。筋トレを始めようとしてる方は、ぜひ参考にしてください。
卓球の筋肉1.下半身
下半身は卓球において最も重要です。
なぜなら、フォームを安定させるのも土台となる下半身次第ですし、ラリーに負けないためのフットワークも下半身で身体を動かすことが求められるからです。
太ももの大腿四頭筋やハムストリング、お尻の大臀筋、ふくらはぎの下腿三頭筋など、これらの筋肉が、強力な打球と素早いフットワークの土台となります。
また、下半身の筋力は、ボールに体重を乗せて打つ際に重要です。床を蹴る力を体幹を通じて上半身に伝え、最終的にラケットに伝達することで、初めて強力な打球が生まれるからです。
また、プレー中は常に低い前傾姿勢を維持する必要があり、これには強靭な下半身の筋持久力が求められます。
卓球の筋肉2.体幹
体幹は身体の中心部分であり、卓球のあらゆる動作の軸となる重要な筋肉です。
ちなみに体幹というのは腹直筋、腹斜筋、脊柱起立筋、腸腰筋などの筋肉の集まりのことを言います。これらの筋肉が、打球時の姿勢維持などに重要な役割を果たします。
激しいラリーの応酬になると、際どいコースに速いボールが打ち込まれ、それに対応しなくてはいけないため、姿勢が徐々に乱れていきます。その際に、体幹が強化されていると、体勢が崩れにくくなり、安定した打球が可能になります。
特に飛びついて打つような厳しい体勢からの返球時には、体幹の強さが打球の強さを大きく左右します。そして、その崩れた体勢から素早く立て直して次のプレーに間に合わせるためにも、強い体幹は不可欠です。
卓球の筋肉3.手首
手首の筋力は、回転や打球の質に直結する重要な筋肉といえます。
サーブやレシーブにおいて、手首の強さは特に重要です。強力な回転をかけるサーブを打つには、手首の瞬発的な力が必要不可欠です。また、チキータやフリックなどの台上技術でも、手首の筋力がボールの威力と安定性に大きく影響します。
ただし、筋肉としては小さい部位であるため筋トレで怪我をしやすい部位でもあります。筋トレのやり方、頻度には充分注意をしましょう。
レベル別おすすめの筋トレメニュー
ではレベル別におすすめできる筋トレメニューを紹介します。なお、どれも高校生以上を対象にしています。中学生以下の場合は、筋トレの必要性はそこまで高くありません。
初心者向け
初心者の方は、まず基礎的な筋力を身につけることから始めましょう。自重を使った簡単なトレーニングから開始し、徐々に負荷を上げていくことが大切です。
- スクワット:15回×3セット
- 腕立て伏せ:10回×3セット
- プランク:30秒×3セット
筋トレはモチベーション維持も大切です。なぜなら続けなければ成果は出ないからです。そのため、筋力向上と卓球のプレー改善の成果を感じやすい大きな筋肉を鍛えるメニューを採用しました。
なお、頻度は週4〜5日、筋トレした翌日は休息を取るようにしましょう。習慣づけることが重要なので、2日に1回は取り組めるといいですね。
中級者以上向け
身体も発達して、基礎的な筋力がある中級者以上の方は、より専門的な筋トレメニューに取り組みましょう。ウェイトトレーニングも取り入れ、卓球に必要な筋力を効率的に強化していきます。
- バーベルスクワット:20回×4セット
- デッドリフト:15回×3セット
- ベンチプレス:20回×3セット
- ラットプルダウン:20回×3セット
- メディシンボールツイスト:左右15回×3セット
- リストカール:15回×3セット
高重量を少ない回数でメニューを組むより、低重量を回数多めで組みましょう。なぜなら、より重たいものを持ち上げられる筋力より、強いパワーを長時間使える筋力が必要だからです。
中級者以上は、パワー、スピード、持久力をバランスよく鍛えることが重要です。鍛えてる筋肉がどのプレーの時に役立つのかを意識しながら鍛えると、より成果を実感しやすいでしょう。
なお、頻度は週3日程度にしてください。ハードなメニューなので休息がとても大事になります。
環境別おすすめの筋トレメニュー
自宅とジムのそれぞれでおすすめの筋トレメニューを紹介します。
自宅でできる筋トレ1.自重で追い込むスクワット
自宅で行うスクワットは、特別な器具を必要とせず、効果的に下半身を鍛えられるとても優れたトレーニングです。筆者もずっと続けていて、パワーのある打球を安定して打ち続けられるようになりました。
以下はスクワットのやり方の手順です。
- 足を肩幅に開き、つま先をやや外側に向ける
- 背筋を伸ばしたまま、ゆっくりと腰を落とす
- 太ももが床と平行になるまで下げる(膝がつま先より前に出ないよう注意)
- かかとで床を押すようにして立ち上がる
腰を落とした時にプレー中の前傾姿勢を意識できるとさらにいいですね。
バリエーションとして、ジャンプスクワット(瞬発力向上)、ワイドスクワット(内転筋強化)、片足スクワット(バランス能力向上)なども取り入れると、より効果的です。回数は徐々に増やしていき、最終的には50回×3セットを目標にしましょう。
自宅でできる筋トレ2.ペットボトルを使った筋トレ
ペットボトルは、重さを調節できる優れたトレーニングアイテムです。水の量を調整することで、自分のレベルに合わせた負荷を設定できます。
500mlから2lの持ちやすいペットボトルを用意し、水を入れましょう。
- ショルダープレス:500ml~2Lのペットボトルを両手に持ち、肩の高さから頭上に押し上げる(15回×3セット)
- アームカール:ペットボトルを持って肘を曲げ伸ばす(15回×3セット)
- サイドレイズ:横に腕を上げ下げする(12回×3セット)
- リストカール:上腕を机に起き、ペットボトルを持った手を曲げて伸ばす(20回×3セット)
さらに、ペットボトルの中に水ではなく砂を入れると、より重い負荷でトレーニングできます。
リストカールなど手首を鍛える際はいきなり重たい重量で行うと怪我をしてしまうので、必ず軽い重量から始めましょう。
ジムで行う筋トレ1.広背筋を鍛えるラットプルダウン
ラットプルダウンは、卓球のフォアハンドドライブやスマッシュに重要な広背筋を効果的に鍛えられるトレーニングです。背中の筋肉を強化することで、より強力な打球が可能になります。
ちなみにラットプルダウンというのは、上にバーがぶら下がっていて、それを下に引っ張り下ろすような形のマシンです。基本的にどのジムにも用意されていると思います。
以下は、ラットプルダウンの正しいフォームです。
- バーを肩幅より少し広めに握る
- 胸を張り、肩甲骨を寄せながらバーを胸の上部まで引く
- 背中の筋肉を意識しながらゆっくりと戻す
下ろす時より、戻す時に背中の筋肉を意識しましょう。戻すときの方が背中の筋肉に効いてきます。
なお重量は、正しいフォームを維持できる範囲で設定します。初心者は体重の40-50%程度から始め、徐々に増やしていきましょう。背中を丸めず、腰を反らさないよう注意が必要です。
ジムで行う筋トレ2.高回数のバーベルスクワット
ジムでのバーベルスクワットは、下半身の筋力と筋持久力を同時に鍛えられる効果的なトレーニングです。卓球に必要な下半身の瞬発力と持久力を効率的に向上させられます。
バーベルを背負って通常のスクワットと同じフォームで行ってください。ただし、重たい重量を扱うと、腰などの怪我を起こしやすいので必ず軽い重量が徐々に重くしていってください。
低重量を高回数で行うことで、卓球の試合で求められる筋持久力を効果的に鍛えられます。
プロ選手が実践してる筋トレメニュー
日本の有名プロ選手が実践している筋トレメニューを紹介します。あなたと同じ体型や戦型の選手であれば、ぜひ参考にしてみてください。
水谷隼選手
まずは2022年に引退をした水谷隼選手です。東京オリンピックの混合ダブルスで金メダルを獲得した、日本の卓球選手の中でも最も有名なプレイヤーでしょう。
彼はあるインタビューで「鍛えるなら、全身を鍛えるべき」と答えています。
卓球選手はフィジカルトレーニングでどこを鍛えるべきか。そんな問いに対して、水谷隼選手(木下グループ)は「全身ですね」と答えた。水谷選手がトップアスリートになり得た背景には、バランスのよいフィジカルトレーニングに継続的に取り組んできたことがあるだろう。継続して努力し続けるのは並大抵ではないはずだ。
引用:バタフライ
また、卓球レポートという雑誌のインタビューでは筋トレルーティンについてこう答えています。
試合の始まる4、5日前に筋トレ(ウェイトトレーニング)をやるようにしています。筋肉痛は3、4日で回復しますし、万が一けがをしたとしても、試合が始まるまでには治す余裕があるので、そこがベストのタイミングです。
引用:卓球レポート
ウォーミングアップでは体幹トレーニング、大会前の数日にウェイトトレーニングを実施していることがわかりました。
ただ筋トレ好きを公言していて、立派な筋肉を披露している水谷選手は日常的にも全身の筋トレを行っていたことは伺えますね。
張本智和選手
次は水谷選手が引退した今、日本の卓球界を牽引している張本智和選手です。
若手であり、身体も大きいわけではない彼ですが筋トレには取り組んでいるようです。
まだまだ筋力が足りないと、夏場からベンチプレスも始め、最初は20キロだったのが、いまは40キロを持ち上げるようになりました。肉体的に逞しくなったことで自信も付き、メンタル面でもタフに。
引用:ニッポン放送
ベンチプレスを行い、上半身の強化に取り組んでいるようですね。
さらにテレビ東京のYoutubeチャンネルの動画では、ダンベルを両手に持ちランジに取り組んでいる様子が見られました。これは体幹と下半身の筋力向上が期待できるメニューです。フットワーク全般と安定した打球姿勢のためにやってるのでしょう。
早田ひな選手
女子卓球を牽引しているのが早田ひな選手です。その攻撃的なプレースタイルと強力な打球で中国選手にまで勝利する実力者です。
彼女は身長も高く体格に恵まれているため、攻撃的でパワフルなプレースタイルです。そんなプレースタイルで勝ち切るためにも筋トレは欠かさずやっているようですね。
こちらもテレビ東京のチャンネルですが、彼女が取り組んでいる筋トレメニューがわかります。
- 左右の片側プランク
- 腕立て伏せ
- チューブローイング
体幹と上半身、下半身と全身をバランスよく鍛えていることがわかります。
卓球の筋トレで注意すべきこと
筋トレはメリットが大きいですが、いくつか注意しなければいけないこともあります。闇雲に筋トレをするのではなく、以下3つの注意点を忘れないようにしてください。
注意点1.ボールを打つ練習を削らない
筋トレはあくまでも筋力アップのためであり、それだけでは勝てません。ボールを打つ練習を欠かさないようにしましょう。
特に初心者のうちは筋トレをする時間があるなら、より多くのボールを打った方がいいです。
筆者の中学校は中学から卓球を始めた選手のみで関東大会に毎年出場していましたが、その秘訣が圧倒的なボールを使った練習量です。とにかくボールを打つ練習をさせられたのを今でも覚えています。
フットワークや素振りの練習は高校生になって始めて練習メニューとして取り組んだぐらいでした。
卓球歴が3年未満の場合は、基本的には打つ練習を優先しましょう。
注意点2.体を重くしない
筋トレをしっかり行うと筋肉量が増えて体が重くなります。重くなればそれだけ動くスピードが遅くなってしまいます。以前は追いついていたボールにも追いつけなくなることもあるでしょう。
そうならないために、筋肉量を増やすことではなく、筋力を高めることを重視した筋トレと瞬発力を高める筋トレを行ってください。
高重量・低回数のトレーニングで筋力を向上させつつ、軽い負荷での瞬発的なトレーニングも組み合わせてください。なお、体脂肪率は男性で10-15%、女性で18-23%程度を目安に維持することをおすすめします。
注意点3.打つ練習と並行で行う
筋トレで鍛えた筋力を卓球のプレーに結びつけるためには、筋トレと練習を並行して行うことが不可欠です。筋トレだけを集中的に行っても、それを卓球の動きに活かせなければ意味がありません。
また、筋トレによって身体の使い方が変わることもあるため、定期的にフォームチェックを行いましょう。筋力が向上しても、正しいフォームで打てなければ、かえってパフォーマンスが低下する可能性があります。
試合で勝つために筋トレ以外にやるべきこと
筋トレは練習日以外に行う人が多いでしょう。その時間でやるべきことは筋トレ以外にもあるため、それを紹介します。
休息をとる
筋肉は休息中に回復・成長するため、オーバートレーニングは逆効果になります。筋トレをしていなくても、通常の練習で疲労した筋肉は休ませなくてはいけません。
睡眠は特に重要で、最低でも7-8時間の質の高い睡眠を確保しましょう。成長ホルモンは深い睡眠中に分泌されるため、筋肉の回復と成長には十分な睡眠が不可欠です。また、練習や筋トレの後は、ストレッチやマッサージで筋肉をケアすることも大切です。
週に1-2日は完全休養日を設けることをおすすめします。この日は軽いストレッチ程度にとどめ、身体と精神の両方をリフレッシュさせましょう。ただ丸3日間、ボールを打たないのはおすすめしません。
なぜなら3日間も間が空くと、ボール感覚や反応速度が鈍くなるからです。長期の休みが必要にならないように、常に細かく休息を取るようにしましょう。
プロ選手の動画を見る
トップ選手の試合動画をみて、選手の体の使い方、フットワーク、打球時の姿勢などを観察し、自分のプレーと比較してみましょう。
知識としてトップ選手のやり方を学ぶことも大切ですが、トップ選手の動きを脳内にイメージとして保存することが重要です。練習中にそのトップ選手のイメージを思い出し、その再現をしようと意識すれば、練習の質も上がるでしょう。
筋トレだけでなく、プロ選手の動画を見て、イメージトレーニングすることも忘れないようにしましょう。
まとめ
今回は卓球における筋トレについて解説しました。
卓球において筋トレは、重要な要素です。打球の威力向上、フットワークの改善、怪我の予防など、多くのメリットがあります。特に下半身、体幹、手首の筋力は卓球のパフォーマンスに直結するため、これらを重点的に鍛えることが大切です。
筋トレはすぐに成果は出ないので、継続を意識しましょう。無理のない範囲で、楽しみながら筋トレを続けることが、卓球の上達への近道です。正しい知識と方法で筋トレを実践し、ワンランク上の卓球プレーヤーを目指してください。
まずは今回おすすめした自宅でできる練習メニューの中から1つだけを実践してみることをおすすめします。