【卓球】一枚ラバーとは?OXの特徴とソフトとの違いを徹底解説

一枚ラバー(OX)とは、どんなラバーなの?

異質ラバーに興味を持ち始めると、気になり始めるのが、一枚ラバーです。

指導者に勧められたり、自分でカタログを調べたりする中で、一枚ラバーとスポンジ入り(ソフト)ラバーでは全く別物のラバーと聞いても、いまいちピンとこない方もいるのではないでしょうか。

一枚ラバーは、スポンジのない特殊な構造により、独特な変化やナックル性のボールを生み出せるラバーです。その一方で扱いにはコツが必要で、プレースタイルによって向き不向きがはっきり分かれます。

この記事では、一枚ラバーの特徴、ソフトラバーとの違い、メリット・デメリットなどをまとめて解説します。

一枚ラバーにするかソフトラバーにするか迷っている方は、是非参考にしてください。

一枚ラバーとは?スポンジがない異質ラバー

一枚ラバーとは、ゴムシート1枚だけで構成された異質ラバーのことです。

OX=スポンジがない一枚ラバーとは

卓球のラバーは通常、表面のゴムシートと、その裏に貼られたスポンジの2層構造になっています。

これに対し一枚ラバーは、スポンジがなくゴムシートのみで作られたラバーで、用具表記では「OX」と記載されます。

OXはスポンジがない状態を表す表記で、厚さ表記の1.5mmや1.8mmといった数字の代わりに用いられる記号です。

スポンジによる反発がないため、弾みや打球感はラケット本体に大きく依存します。その結果、スポンジ入りラバーとは異なる独特な変化や打球感が生まれます。

表の一枚ラバーの特徴

表にも一枚ラバーが存在し、ニッタクの「ドナックル」や、ヤサカの「コバルト」シリーズなどが有名です。

スポンジ入りに比べてスピードは落ちるものの、表特有の攻撃性能を残しつつ、一枚ラバーならではのナックル性のボールを出しやすいのが特徴です。

スポンジがないため球離れが圧倒的に早く、前陣で攻撃を仕掛けたり、相手のドライブをブロックで止めやすいです。

ドナックルは粒高に近い粒形状で、その名の通りナックルボールを出しやすい設計。コバルトは表ソフトらしい打球感を残しつつ変化を加えられる一枚です。

粒高ほど変化に特化していないものの、攻撃性能もある程度残されており、表の一枚は、「止める」ことと「少し打てる」ことに特徴があります。

粒高一枚ラバーの特徴

粒高ラバーは一枚ラバーとの相性が非常に良く、前陣異質攻守型では粒高一枚を採用する選手も少なくありません。

スポンジをなくすことで粒が倒れやすくなり、相手の回転を利用した変化量が増すためです。

スポンジがないため相手の強打の威力を吸収しやすく、ネット際に落とすドロップショットがやりやすくなります。また、相手の回転を逆手に取った返球でミスを誘う展開も作りやすいのが特徴です。

VICTASのCURLシリーズは、最大の変化幅を誇る「CURL P1V」、扱いやすさと攻撃性能を高めた「CURL P3V」など、粒形状の異なる複数のモデルが揃っています。前陣異質攻守型からカットマンまで、幅広い異質型選手に支持されているシリーズです。

粒高の一枚は、「止める」ことと「切る」ことに特徴があります。

一枚ラバーとスポンジ入り(ソフト)ラバーの違い

一枚ラバーとソフトラバーとでは、全く別物のラバーといっていいほど、その性質が異なります。

一枚ラバー:球離れが早く変化がでやすい

一枚ラバーの最大の特徴は、スポンジがないことによる球離れの早さです。

通常のソフトラバーは、ボールがスポンジに食い込んでから弾き返されるのに対し、一枚ラバーはシートに触れた瞬間にボールが返っていきます。

そのため打球感は非常にダイレクトで、スポンジ入りラバーとはまったく異なる感覚になります。

一方で、スポンジの反発力がない分、自分から強い回転やスピードを生み出すのは得意ではありません。 代わりに、ナックル性のボールや独特の変化を出しやすく、相手のミスを誘う展開を作りやすいのが魅力です。

スピードや威力で押すよりも、台上で相手を揺さぶりたい異質攻守型の選手に向いたラバーと言えるでしょう。

ソフトラバー:安定感があり攻撃力が高い

一方で、ソフトラバーはスポンジの厚みがある分だけボールが食い込みます。

これによりボールをしっかり掴み、スポンジの反発力を利用して、ある程度回転をかけたり飛距離を出せることが強み。

また、多少打球点やスイングがずれてもスポンジが吸収してくれるため、ミスが出にくいのも特徴です。

スポンジの厚みは、戦型によって以下のような違いがあります。

  • 前陣異質攻撃型:攻撃力を優先して厚いスポンジ
  • カットマン:台から離れた場所でも安定して返球するための薄めのスポンジ
  • ペン粒型:変化を優先しつつ、攻撃もできる極薄

変化だけでなく、安定感や攻撃力を求める選手に向いているのが、ソフトラバーです。

変化重視か安定重視か

一枚ラバーとソフトラバーのどちらが優れているというわけではありません。

一枚ラバー:

  • 変化を武器に相手のミスを誘う
  • 前陣で相手を翻弄したい

ソフトラバー:

  • 変化だけでなく自分から得点したい
  • 安定感と攻撃力も欲しい

どちらを選ぶかは「変化重視か、安定重視か」というプレースタイルの方向性で決まります。

自分がどのようなプレースタイルを目指したいのかを基準に選ぶことが大切です。

一枚ラバーのメリット

一枚ラバー最大の魅力は、ソフトラバーでは出しにくい独特な変化です。相手の回転を利用しながら、ミスを誘うプレーがしやすくなります。

相手の回転を利用した変化が大きい

一枚ラバーの最大のメリットは、相手の回転を利用した変化量の大きさです。

スポンジがないことで相手の回転がラバーに吸収されず、粒が倒れることでボールの回転を受け止め、そのまま返球する仕組みです。

相手の強烈なドライブを粒高一枚ラバーでブロックすると、その回転を逆に利用した返球になります。

この返球は裏ソフトのブロックとは異なる独特な球質になり、相手は次のような感覚を受けます。

  • 予想以上にボールが沈む
  • 思ったほどボールが伸びてこない

表の一枚ラバーでも、ナックル性のボールや失速するボールが出やすいため、相手のリズムを崩しやすいのが強みです。

スポンジ入りのラバーは、スポンジが回転を一部吸収してしまうため、ここまで極端な変化は生まれません。

軽打でもナックル系のボール

一枚ラバーは、自分から強く打たなくてもナックル性のボールが出やすいのも大きなメリットです。

ソフトラバーでは軽打であっても、ある程度回転がかかります。

しかし一枚ラバーは食い込まないためボールを擦る力が弱く、滑るように飛んでいきます。その結果、回転量の少ない返球になりやすいのです。

特に表の一枚ラバーではこの傾向が顕著で、相手はいつもの感覚で打つとボールが伸びず、オーバーミスやネットミスをしやすくなります。

粒高の一枚ラバーでも相手の威力を吸収し、失速するボールを返すことで相手のタイミングを狂わせることができます。

一枚ラバーは、回転量とスピードの両面で緩急の「緩」を生み出しやすいラバーです。

一枚ラバーのデメリット

メリットの裏返しとして、一枚ラバーには扱いの難しさや注意すべき点もあります。

自分から強い球を打つのは難しい

一枚ラバーの最大のデメリットは、自分から強い回転やスピードを生み出しにくいことです。

スポンジが入っていれば、スポンジの反発力を利用してボールを飛ばせます。しかし一枚ラバーではその反発力を利用できないため、同じスイングをしてもボールの威力はどうしても落ちてしまいます。

また、台から離れるほどボールを飛ばしにくくなるため、前陣でのプレーが基本です。

表の一枚ラバーであればある程度攻撃はできますが、スポンジ入りほどの威力はありません。粒高の一枚ラバーであれば、さらにその傾向は強くなります。

一枚ラバーで攻撃しても予想以上にボールが伸びません。そのため、裏ソフトの感覚で身構えている相手にとってはタイミングを外され、フェイントを食らったかのような反応になることがあります。

一枚ラバーは貼り方にコツがいる

一枚ラバーはスポンジがないため、一般的なラバーに比べて貼るのが難しいという欠点があります。

ソフトラバーは多少ズレても、スポンジ部分がズレを吸収してくれますが、一枚ラバーはシートそのものをラケットに直接貼るため、シワや気泡が入りやすくなります。

ゴムシートは非常に薄く、シワを伸ばそうとして無理に引っ張ると粒の配列が歪んでしまいます。

貼りそこねた時、一旦剥がして貼り直そうとしても、剥がす際にゴムシートが伸びてしまいます。そのためソフトラバーのように何度も位置を調整しながら貼ることはできません。

とはいえ、コツさえ覚えれば意外と簡単にきれいに貼れます。

ラバー貼りは一発勝負。失敗が怖い方は、卓球専門店に依頼しましょう。

赤色ラバーは透け注意

一枚ラバーを使用する際に意外と見落とされがちなのが、ラバーの透けです。

スポンジがないため、商品によってはラバー越しにラケットの木目が透けて見えてしまうことがあります。

これは見た目の問題ではなく、卓球のルールに関わる重要なポイントです。ラバーを通してラケット本体が透けて見える状態は、ルール違反です。

特にDr.Neubauer社の赤色ラバーは透けやすいモデルがあり、注意が必要です。

対策はいたってシンプルで、黒色を選ぶこと。

TIBHARのラケット「幻守」のように、表面が赤色塗装されたラケットを使う方法もありますが、黒色ラバーを選ぶほうが現実的です。

一枚ラバーが向いている人・向いていない人

一枚ラバーの特徴・メリット・デメリットを踏まえて、向いている人・向いていない人をまとめます。

一枚ラバーが向いている人

一枚ラバーが向いているのは、前陣で戦い、変化で相手を崩したい選手です。

具体的には次のような人です。

  • 前陣異質攻守型を目指している人
  • スピードやパワーよりも、コース取りや球質変化で勝負したい人
  • 相手の嫌がるボールを出して崩したい人

自分から強打で押し切るのではなく、ブロックやツッツキ、ナックルボールなどを使って相手のミスを誘うスタイルと相性が良いラバーです。

一枚ラバーが向いていない人

一方で、一枚ラバーはすべての選手に向いているわけではありません。

特に次のような人は、スポンジ入りラバーの方が扱いやすいでしょう。

  • 安定感を重視し、ミスを減らして堅実に戦いたい人
  • 異質ラバーでも、ある程度は自分から攻撃も組み立てたい人
  • 台から離れてプレーすることが多い人

粒高ラバーを使いたい場合でも、「変化だけでなく攻撃もしたい」という人は、極薄スポンジ入りラバーを選んだ方が、プレーの幅を広げやすいです。

一枚ラバーの打ち方のコツ

一枚ラバーは普通のラバーと打ち方の感覚がまったく違うため、最初は戸惑う方も多いでしょう。

使いこなすために押さえておきたい打ち方のコツを、2つ紹介します。

擦るより当てる感覚が重要

一枚ラバーを使いこなす上で最も意識するべきことは、「擦る」より「当てる」感覚で打つことです。

裏ソフトラバーの感覚でボールを強く擦ろうとしても、スポンジがないため思うように回転はかかりません。ボールも飛ばず、かえってミスにつながることがあります。

大切なのは、ラケットの面をしっかり立て、ボールを「当てる」ように返すこと。スイングは小さくコンパクトに。

一枚ラバーは相手の力を利用して返すラバーです。自分から強く振らなくても、面の角度とタイミングさえ合えば、変化のあるボールが自然と飛んでいきます。

インパクトの瞬間、粒をどの向きにどの程度倒すかを意識しながら打つと、より一層変化を自分でコントロールできるようになります。

変化を活かすコースを意識

一枚ラバーの独特な変化ボールは、コース取りを意識することで、その効果を何倍にも高めます。

例えば、次のようなコースです。

  • 球威を抑え込んでネット際へ落とす
  • フォア深くへナックルボールを送る

ネット際へ落とすことで、深い返球を予想している相手を詰まらせることができます。

ナックル系ボールをフォアで処理することに苦手意識を持っている選手が比較的多いので、フォア狙いも意外と有効です。

一枚ラバーの貼り方

VICTASのCURLシリーズのように、予め粘着剤が塗られている状態で販売されている商品もあります。

ここでは、粘着剤が塗られていない一枚ラバーの貼り方について紹介します。

接着シートを使用する場合

一番おすすめなのが、接着シートを使う方法です。

  1. ブレード表面にゴミなどがついていないことを確認します(凸凹予防)
  2. 接着シートの端をグリップの根本に合わせ、空気が入らないように注意しながら貼り付けます
  3. はみ出た部分の粘着シートをカッターやハサミで切ります
  4. 粘着シートの離型紙を剥がします
  5. 剥離紙を、根元の部分を少し開けて粘着シートの上に置きます
  6. ラバーの端をグリップの根本に合わせ、貼り付けます
  7. 剥離紙を少しずつ移動させ、気泡が入らないように注意を払いながらゆっくりラバーを貼り付けます
  8. 軽く上からローラーをかけ、ラバーをしっかりラケットに貼り付けます
  9. ラケットからはみ出た部分をハサミで切り落とします

接着剤を使用する場合

接着剤は塗り斑が発生しやすく、ラバーの凸凹や気泡の原因になるので、あまりおすすめしません。

  1. ラバー側に接着剤を均一に塗ります
  2. 接着剤が透明になるまで乾かします
  3. ラバーの端とグリップの根本を合わせ、ゆっくりと落とすようにラバーを少しずつ貼っていきます
  4. 軽く上からローラーをかけ、ラバーをしっかりラケットに貼り付けます
  5. ラケットからはみ出た部分を切り落とします

まとめ

一枚ラバーとは、スポンジのないゴムシート1枚で構成された特殊な異質ラバーです。

一枚ラバーとソフトラバーのどちらが優れているということはありません。

スポンジ入りのソフトラバーに比べると、攻撃力や安定感では劣るものの、相手の回転を利用した独特の変化とナックル性のボールを生み出しやすいという特徴があります。

「スピードやパワーで押し切るのではなく、変化で相手を揺さぶり、ミスを誘って勝つ」

そんな王道スタイルとはちょっと変わったプレースタイルを目指すプレイヤーに適したラバーです。

変化を武器に相手を翻弄する卓球に魅力を感じるのであれば、一枚ラバーはきっと面白いラバーです。

 

 

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