【卓球】流しを極める!打ち方・使い方・戦術をわかりやすく解説

短いサーブに対し

  • ストップやツッツキばかりで、コースを読まれている気がする
  • レシーブがワンパターンで、いつも相手に狙い打たれてしまう

と悩んでいませんか?

ツッツキやストップ、フリックといった台上処理の基本技術が身についてきたものの、レシーブがこの3つにパターン化していると、相手は簡単にコースを読まれてしまいます。

そんな停滞状況を打破し、相手を翻弄する第4の選択肢としておすすめするのが、「流し」です。

流しは、相手の回転を利用し、予想外のコースへボールを送るトリッキーな技術。

チキータのような派手さはありませんが、相手の待ちを外すという点において、習得すれば試合展開を有利に進められます。

この記事では、流しの基本的な打ち方から、試合で効果的に使う戦術まで詳しく解説します。

卓球の「流し」とは?

まずは、流しという技術の基本を正しく理解しましょう。

流しとはどんな技術か

卓球における流しとは、台上に来たボールの側面を捉え、コースを変える技術のことです。

通常のツッツキがボールの真下を捉えて押し出すように打つのに対し、流しは相手の回転を利用しながら、ラケット面をボールの横にすべらせ、撫でるように打ちます。

これにより、相手が「クロスに来るだろう」と予測しているのに対し、サイドスピンをかけながらストレートへ滑り込ませるといった高等テクニックが可能になります。

主にレシーブ場面で多用されますが、台上の短いラリーの応酬を打破するために使用されることもあります。

相手の待ちを外して体勢を崩すために、非常に有効な技術です。

ストップ・ツッツキ・フリックとの違い

流しを深く理解するために、他の主要な台上技術との違いを下表にまとめました。

技術 目的 打球方向 打球感のイメージ
ストップ 短く止め、相手に攻めさせない 前方(ネット際) 当てる、止める
ツッツキ 下回転をかけ、守備やつなぎ 前方、クロス 押す、切る
フリック 甘い球を自分から攻撃する クロス、ストレート 弾く、打つ
流し 相手の回転を利用し、逆を突く クロス、ストレート 運ぶ、いなす

流しは「打つ」というよりも、「運ぶ」「いなす」という感覚に近く、筋力パワーがなくても相手を崩せるのが最大のメリットです。

ストップやツッツキは前方向への返球が基本です。一方、流しはストレートやクロス方向へボールを逃がす点が大きく異なるため、相手が前方を警戒している場面で効果を発揮します。

なぜ流しが試合で重要なのか

  • 予測を外して3球目攻撃を封じる
    短いサーブに対して「ストップかツッツキが来る」と確信している相手は、3球目攻撃の準備を始めています。そこへ流しを使って逆を突けば、相手は足を止められ、攻撃の精度が著しく低下します。
  • 強打されにくい
    流しは独自のサイドスピンが入るため、単純な強打がしにくいボールになります。たとえ返球されても甘い球になりやすく、自分が攻めるチャンスを作り出せます
  • 回転に左右されにくい
    ボールの側面を捉え、回転を利用して逃がすようにするため、強烈な回転に対しても安定して返球できるメリットがあります。

流しが有効になる場面

流しはどんなサーブにも使えるわけではありません。流しが効果的になる場面を紹介します。

下回転サーブへのレシーブ

下回転サーブをツッツキで返球するためには、相手の回転に対して正面から上書きしなければなりません。

しかし流しはボールの側面を捉えて、回転を逃がす技術です。

相手の回転をまともに受けないため、安定して返球できるメリットがあります。特に、フォア前に短く切れた下回転サーブが来た際、右利きであればラケット面を開いてボールの左下を捉え、軽く順横回転をかけるようにして返球します。

横回転サーブへの対応

流しは、相手の横回転を味方につけることができる技術です。

例えば、右利きの相手が出す順横回転(時計回り)サーブに対し、その回転方向に沿ってラケットをすべらせるように流すと、通常よりも大きく曲がりながら逃げていくボールになります。

逆横回転の場合は、ボールの回転方向とラケットのスイング方向が逆になるため強い反発力が生まれます。ラケット面をやや被せ気味にすることで、その反発力を利用した流しが可能になります。

横回転に対しては相手の回転を味方につける意識を持ち、回転を殺すのではなく、回転方向に合わせてラケット面を調整し、流してください。

ストップを読まれている時の選択肢

対戦相手が「この選手はフォア前に短く来たら、必ずストップしてくる」と確信し、前に詰めてきている場合、待ちを外す流しの出番です。

ストップをするふりをしてラケットをボールに近づけ、インパクトの瞬間、ラケットの面を開いて流しで待ちを外せば、相手は前進した勢いが裏目に出て、深く厳しいコースへの返球に対応できなくなります。

同じモーションからストップと流しを打ち分け、さらに流しもコースをバックやフォアに打ち分ければ、相手は的を絞れなくなります。

レシーブが単調になっていると感じたら、流しを混ぜてみてください。

流しの具体的な打ち方とコツ

流しは腕の力でボールを飛ばす技術ではありません。ラケット角度とインパクトの瞬間にすべての神経を集中させます。

当てるだけではない!ボールの側面を捉える

流しのミスで最も多いのが、ボールの側面ではなく後ろを叩いてしまい、ただの速いツッツキになってしまうことです。

流しはバックスイングを小さくとり、ボールの内側側面を捉え、ラケット面で「撫でる」ように軽くサイドスピンをかけるようにスイングします。

流しは自分が狙ったコースに安定して入れる技術です。

フリックのように弾く必要はないので、スイングスピードは速くならないように注意しながら、振ります。

相手の回転を味方につける

流しは、相手の回転を殺すのではなく利用する技術です。

「自分から回転をかけよう」と力む必要はなく、相手が送ってきた回転エネルギーをそのままコース変更やボールの勢いに利用します。

  • 下回転に対して
    ラケット面を少し上に向けるだけで、ボールは勝手に前に飛んでいきます。
  • 横回転に対して
    相手ボールの回転方向を見極め、その方向にラケットを添えるだけでボールはコースを変え、相手コートへ滑り込んでいきます。

インパクトの瞬間は、ラケットを強く握りすぎず、ボールの重みを感じた瞬間にだけ指先に少し力を入れる程度にします。

肘と体幹で運ぶ感覚

初級者が陥りやすい罠が「手首だけで流そうとすること」です。

手首だけで角度を作ろうとすると打球点が安定せず、浮いたりオーバーミスしたりする原因になります。

  1. 足を出して踏み込む
    右足(右利きの場合)を前に出し、ボールに近づきながら踏み込みます。この時、腕の力は抜いておきます。
  2. 肘を支点にする
    手首は固定し、肘を軽く引いてから、ボールを運ぶ方向に腕を運びます。
  3. 体幹全体を使ってコースを決める
    腕だけでコースを狙うのではなく、体幹全体、腰の回転を活用して打球します。

インパクトの瞬間に力を入れるのではなく、身体全体でボールを運ぶイメージを持ち、スイング全体で「流す」イメージを持ってください。

相手を翻弄する「流し」を用いた効果的な戦術

流しの技術を習得できたら、その技術をどのように得点に結びつけるかという、「戦略」を考えましょう。

流しは単体でエースを取る技術ではなく、「相手の予測を外し、次の攻撃を有利にするための布石」として捉えるのが鉄則です。

クロスに見せたストレートへの流し

流しが最も威力を発揮するのは、相手の予測を完全に裏切った瞬間です。

右利き同士の対戦を例に挙げると、フォア前に来たボールに対し、身体はクロス(相手のバック側)に向けたまま、インパクトの瞬間にだけラケット面を開いてストレートへ流します。

相手はあなたの身体の向きから「バック側に来る」と予測し、すでにバック側へ重心を移動させています。

そこへサイドスピンで逃げていくボールがストレートに来ると、相手は反応が遅れるだけでなく、「逆を突かれた」という心理的プレッシャーから体勢を崩した甘い返球しかできなくなります

特に、強引に回り込んで攻めようとする相手に対して、効果的です。

対カットマンやサウスポーで威力を発揮する流し

流しは特定のプレースタイルの相手に対しても、有効武器になります。

  • 対カットマン
    カットマンに勝つためには、前後左右に大きく揺さぶることが不可欠です。
    カットマンを前へ誘い出すためにはツッツキやストップが主に用いられます。そこに流しを取り入れ、カットの下回転を利用して前へ詰めさせたり、ストップで前に詰めさせてから流しでサイドへ流し、揺さぶりをかけます。
  • 対サウスポー
    左利きの選手は、右利きが打つクロスへのボール(左利き選手にとってバック側)に慣れています。バック側に来たボールを回り込んで打とうとしたところへ、フォアサイドへ厳しくストレートを狙って流し打ちをされると、体勢が間に合わず、サウスポーは不慣れな展開を強いられます。

ツッツキ・ストップとのモーションの共通化で騙す

流しを単独で使っても、フォームで相手に見破られてしまうと効果は薄れます。

流しの効果を最大化するためには、打つ直前まで相手にどの台上技術で返球するのか判別させないことが重要です。

  1. 踏み込みとバックスイングの共通化
    どの技術を使うときも、まずは同じようにボールに近づき、同じ高さにラケットを差し出します。
  2. インパクトの瞬間だけ切り替える
    最後のコンマ数秒のインパクトの瞬間だけ、面を合わせる(ストップ)、切る(ツッツキ)、弾く(フリック)、撫でる(流し)を使い分けます。

モーションを共通化させるだけでなく、途中までツッツキ、途中までフリックといったフェイクモーションを取り入れられるようになると、さらに効果的に相手を騙せます。

流し後の4球目とセットで考える

流しは打って終わりではありません。次に自分が攻めるための準備として、返球を予測しておくことも大切です。

  • バックサイドへ流した場合
    相手は詰まった状態で返球するため、バッククロス(自分のバック側)に集まりやすくなります。そこを狙って回り込み、得意の決定打を打ち込む展開まで描きましょう。
  • フォアサイドへ流した場合
    相手は大きく動かされるため、返球が甘くなりやすいです。クロスに返ってきたボールをさらにストレートで突き刺すなど、相手を「振り回す」展開を描きましょう。

【Q&A】よくある失敗例

「流し」は繊細なボールタッチを必要とする技術です。

流しでよくある失敗と対策を解説します。

ボールが浮き、チャンスボールを与えてしまう

流し打ちをしようとすると、ボールが浮いてしまい相手にスマッシュを打たれてしまう場合は、ラケット面が開きすぎていたり、打点が遅すぎたりしていることに原因があります。

流しは闇雲にラケットを差し出してボールの側面を撫でればいいというものではなく、面を合わせるための回転方向と量の見極めが非常に重要な技術です。

下回転や順横回転の場合は面をやや上向きに、上回転や逆横回転に対してはやや被せ気味に合わせます。

また、打点が遅れると面が開きやすくなります。バウンド直後の早い打点で捉えることを意識してください

サイドに切れてオーバーミス

コースを狙いすぎて、サイドラインを割ってしまうようなミスの場合は、力を入れすぎていたり、手首だけでコースを狙おうとした場合に起こります。

流しは「強く打つ」技術ではありません。相手の回転を利用し、最小限の力でコースを変えます。力を入れすぎると、サイドラインを越えてしまいます。

手首は固定し、腕と身体全体で打ちたいコースに向かって送り出すようにスイングします。インパクトの瞬間に手首をこねて回転をかけようとすると、打球は安定しません。

「触る」「撫でる」程度の力加減で十分です。

そもそもどのサーブに対して流しを使えばいいの?

流し打ちが使いやすいのは、以下のサーブです。

  • 短い下回転サーブ:多くの選手がストップやツッツキで返そうとします。ここで流しを使うと相手の待ちの意表を突けます。
  • 横回転サーブ:回転の勢いを利用して流すと、勝手にボールが曲がってくれます。相手の回転が強ければ強いほど、その威力は増します。

流しは台上技術なので、短いボールに対して使います

まとめ

流しは、相手の回転を利用し、相手の予測を裏切るコースを突いて崩す台上技術です。

  • ボールの内側側面を捉え、回転を利用して撫でるように打つ
  • 手首だけで打つのではなく、しっかりと足を踏み込み、身体全体でボールを運ぶように打つ
  • 他の台上技術とモーションを共通化し、相手を惑わす
  • 流し後の次の攻撃とセットで戦術を組み立てる。

流しをマスターすれば、レシーブの選択肢が広がり、相手の予測を外せるようになります。まずは短い下回転サーブへの流しから練習し、徐々に試合で使ってみてください。

台上処理で相手を翻弄する、嫌らしいプレーヤーを目指しましょう。

 

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